夜風のMixedReality

xRと出会って変わった人生と出会った技術を書き残すためのGeekなHoloRangerの居場所

HoloLensアプリで遊んでみるその① 「TYPE IN SPACE」

 本日はHoloLensアプリ調査枠です。

 現在Microsoft Storeには400を超えるHoloLens用のアプリが並んで、そのほとんどが個人の開発者によってリリースされており、Freeもしくは低価格で入手することができます。

 今回第一回目としてTYPE IN SPACEを遊んでみます。

 TYPE IN SPACEはMixedRelalityを使用してテキストを空間に配置できるアプリです。

www.microsoft.com

Free版とPro版(3.99$ 日本円では470円)があります。

 〇どんなアプリ?


HoloLens 1st TYPE IN SPACE

 HoloLensによるMixedReality空間でのタイポグラフィーを探検するアプリケーションです。

 HoloLensを用いて現実空間に文字を自由に配置できます。

 開発者であるYoon Parkさんはタイプデザインとタイポグラフィが大好きなグラフィックデザイナーであるそうで、HoloLensによるタイプを探求して開発したようです。

 上記埋め込みリンクのYoonさんのページを見るとTYPE IN SPACEに対するこだわりや熱が細かく紹介されています。

medium.com

 〇面白いところ

 MRTKの機能が美しく使われており、直感で操作する感動を覚えます。

 HoloLensは視野角やAirTapといった独特の操作によってどのアプリケーションでも慣れるまでストレスを感じることがあります。TYPE IN SPACEはUXにおいて、一目でどこを操作すればどのような機能が使えるのかがわかるので、ストレスをほとんど感じることがありませんでした。

 美しさだけではなくTYPE IN SPACEには多くの機能があります。

 ・文字入力

 このアプリは自分の好きな文字を空間に複数配置できます。

 ・フォント

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 12種のフォントがあります。またそのうち二つは「遊明朝体」「遊ゴシック体」と日本語のフォントです。

 多くのHoloLensアプリがリリースされていますが、そのほとんどすべては英語のみであり、機能として日本語のフォントが使用されている、使用できるのはわずかしかありません。

 ・文字の色

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 48種類の色を選択することができます。 またそれぞれカラーコードが表示されているところもステキなポイントです。

 ・アウトライン

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 ただ文字を表示させ、フォントを変えるだけではなくアウトラインのみを表示させることができます。

 映像を見るにアウトラインは黒い色のテキストに行うことによって実機では黒は描画できないので枠だけが見えるようになっているみたいです。

 ・大きさ、向き

 HoloLensの両手ジェスチャーによって直感的に大きくすることや回転をかけることができ、空間内に自由に文字を配置できます。

 ・空間マッピング

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空間マッピングによって地面に張り付くように移動するテキスト

 HoloLensの空間マッピング機能を用いて一度空間をスキャンすることで文字を重力で床にぼとぼと落としたり、壁や床にピタッとつけることができます。

 ・アプリランチャー

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TYPE IN SPACEのランチャー(左がPro版)

  HoloLensではアプリごとに開発者がポスターのような平面をAirTapすることでアプリが起動する場合(2Dランチャ)と、3Dモデルが配置されていてAirTapすることでアプリが起動する場合(3Dランチャ)を設定できます。

  が、現状リリースされている多くのアプリの場合2Dランチャが9割ほどで、3DランチャによるアプリはMicrosoft公式のアプリを除き(HoloTourやFragmentsなど)ほとんど見かけません。

 (3Dランチャの作成に関して、詳しくまとめている方の記事が参考になります)

bluebirdofoz.hatenablog.com

 TYPE IN SPACEの場合ホーム画面からアプリを選択すると3Dで「TYPE IN SPACE」のテキストが表示され、アプリを起動する前からわくわくします。 

 ・書き出し機能と読み込み機能(Pro版のみ)

 配置したテキストを保存することや逆にロードすることができるようです。

 〇今後の可能性

 UI UXに関して感動する点が多く、HoloLensを初めて体験する人だけでなくHoloLensアプリ開発者にも参考になる点が多いと感じます。

 開発者YoonさんのTwitterを見るにHoloLens 2での展開もすでに開始しているようで、HoloLens 2ではハンドジェスチャーだけでなくアイトラッキング(視線操作)も可能になるのでこの美しいアプリケーションのさらなる進化が期待できます。