Microsoft HoloLensはMixed Realityと呼ばれる技術を用いるパーソナルコンピュータです。
2019年の2月に発表され、ついに先日HoloLens 2のリリースが開始されました。
ここで一度原点に戻ってHoloLensを振り返ります。
前回の記事はこちら
〇HoloLensのスペック
・デバイス
光学…シースルー ホログラフィック レンズ (導波路)
ホログラフィック解像度…2 HD 16:9 ライトエンジン (2.3 M のライトポイント)
ホログラフィック密度…\ >2.5 k、単位は 1 (ラジアンあたりの軽量ポイント) HoloLens 1stの特徴としてシースルーディスプレイが採用されていることが挙げられます。
非起動時、起動時かかわらず、情報の描画が行われない部分は普通の眼鏡のように現実の景色を見ることができます。
他の多くのxRデバイスの場合、ユーザーの酔いに対して常に配慮する必要がありますが、HoloLensの場合酔いが少ないと言われます。
スピーカー…ビルトイン・スピーカー
CPU…Intel 32 bit architecture
GPU…Custom built Microsoft Holographic Processing Unit(HPU 1.0)
メモリ…64GB Flash/2GB RAM
OS…Windows 10
バッテリー…2~3時間連続稼働
電源…2.5A/5.2V
重量…579g
HoloLens 1stではHPU(Holographic Processing Unit)と呼ばれるチップが採用されています。
これはIntelのAtomベースのSoC(Cherry Trail)で、カメラからの信号の処理などの主要な部分を担当しています。
新型機であるHoloLens 2では第二世代のHPUが採用されています。
バッテリーに関してはスマートフォンなどと同様、アプリケーションなどの使用状況によって大きく変動します。
アプリケーションによっては1時間立たずにバッテリーが尽きてしまう場合もあります。
充電は私の体感として4時間ほどでフル充電することができます。
〇HoloLensの5大機能
HoloLensはスペックだけで見るとそこまで高スペックというわけではなく、PCで比較するとタブレットPCほどの性能です。
が、各センサーとHPUの処理によって他のPCには実現できないMixedRealityを体験できます。
HoloLensの体験において重要視されるのが以下の5大機能です。
・SpatialMapping
空間マップ これによって現実空間の情報に対して正確にデジタルの情報をミックスさせることができます。
ほとんどのアプリケーションで使用されています。
・SpatialSound
空間音響
この機能はHoloLensに搭載されている6基のスピーカーによりオブジェクトから発せられる音源がユーザーの位置やSpatialMappingを用いた現実の空間によって変化することで、音源がどこにあるのか知覚できる機能です。
この機能を使用したアプリケーションとして『The Sound Piece』などがあります。
また、次の動画は以前私が作成したデモですが、SpatialSoundによってデュエット曲でどちらのキャラクターがどちらの声を歌っているかを知覚できます。
このデモではキャラクターに近づけば近づくほど音が大きくなる効果を現実よりやや顕著に行っているため壁などによってキャラクターを見失ってもどの向きにどの距離にキャラクターがいるのかをユーザーは見失うことはありません。
・World Anchor
この機能はHoloLensのSpatialMappingの情報を記憶することで、一度配置したオブジェクトが別の場所なのでアプリケーションを使用してまた元の場所で起動したとしても同じ場所に配置される機能です。
この機能によって一度SpatialMappingによってスキャンした空間に配置したオブジェクトは削除されない限り移動することはありません。
・Sharing
『Boxello』のアプリレビューでも触れましたが、複数のHoloLens同士やアプリを導入したデバイスでオブジェクトの位置を共有する機能です。
通常HoloLensのオブジェクトはHoloLensをかけているユーザーにしか見ることができません。
しかしネットワーク等で互いの座標を共有することで複数のHoloLensで同じ位置のオブジェクトを見て、作業することができます。
この機能はAzureSpatialAnchorやSpectator view と呼ばれる仕組みによってiPadなどのデバイスでも行えます。
動画は日本のHoloRangerさんによるスマートフォンとのSpectator viewのデモです。
・Gesture
HoloLensには通常のPCにあるようなキーボードはありません。 また、スマートフォンやタブレットPCのようなタッチディスプレイもありません。
HoloLensの場合AirTapと呼ばれる動作で操作を行います
動画は以前私が作成したデモですが、ボタンの選択、キャラクターの位置の変化、などをすべて手で行っています。
コントローラーがあるわけではなく、人差し指をぴんと立て親指でその後親指と人差し指でつまむような動作を取ることによってマウスでいうところのclick動作に相当することを行っています。
また、つまみながら腕を動かすことによりドラッグ&ドロップと同じ動作が可能です。
今回はHoloLensのスペックと基本的な5大機能を見ていきました。
この5大機能は新型機であるHoloLens2でも基本的には変わりなく、HoloLensシリーズの特徴的な機能になります。