MixedRealityToolKit(以下MRTK)にはExamplesというデモサンプル集が含まれています。
Examplesを理解すればMRTKの機能の使い方を学習することやノンコーディングでのアプリ開発が可能になります。
今回は 前回に引き続きMRTK v2.2.0で実験的にリリースされたPulseShaderExamples 見ていきます。
前回はHandMeshMaterialのHand Triangles ShaderのPulseを調べました。
今回も続きから見ていきます。
〇Edge Timing
・Line End Time
どのタイミングでLine(Meshのアウトライン=Edge)の描画が完了するかの時間です。
この値がFill Start Timeより大きい場合Fill(塗りつぶし)が先に描画されます。
・Fill Start Time
どのタイミングでFill(Meshの塗りつぶし)の描画が完了するのかの時間です。
この値がLine End Time より小さい場合Line(Meshのアウトライン)の描画が終わるより先に無理つぶしが描画されます。
〇Wrist Fade
Wrist(手首)のぼかしの設定です。
Hand Triangles Shaderは本来HoloLens 2のHandTrackingの際のMeshの描画に使用される前提のため、この設定項目で手首部に当たる部分のぼかしを設定できます。
・Wrist Fade Start
手首の描画のぼかしの開始時間です。
・Wrist Fade End
手首の描画のぼかしの終了時間です。
Wrist Fade Start とWrist Fade Endの値の差が大きければ大きいほどぼかしの効果が大きくなります。
〇Flip V For Hydrogen
・Flip V
Flip Vが何を意味するのか理解することはできなかったのですが、どうやらPulseの向きを反転させるようです。
〇Fly
最初に調査したSR_Trangles ShaderとHandTriangles Shaderの見た目の最大の違いは、HandTriangles Shaderはメッシュが張り付き、ばらばらとはがれるような動きをする点です。
このメッシュのはがれ(展開)の設定がFlyになります。
・Max Hover
メッシュのはがれ(展開)の大きさです。
この値が大きいほどメッシュのはがれがはっきりとします。
・Max In Angle
メッシュが張り付く際のメッシュの角度です。
ここの値によってはMRTK StandardShaderのVertexExtrusionsのような法線方向展開の動きだけではなく、回転を与えることができます。
・Max Out Angle
Max In Angleが張り付く際のメッシュの角度であるのに対してMax Out AngleはメッシュがPulseの終わりにばらばらと展開されていく際のメッシュの角度になります。
今回は前回のPulse、前々回のColorと合わせHandTriangles Shaderのプロパティの機能を見ていきました。
HandTrianglesの名の通り主目的としてHoloLens 2のHandTrackingのMeshに使用されるようですが、このShaderはなかなか表現が面白いので何かできないか調べてみたいと思います。