先日Osaka HoloLens Hackathon Online 2021で行ったアプリケーションパッケージに関してまとめていきます。
〇HoloLensのデプロイ法
HoloLensでは2021年現在Unity意外にUnrealEngineなど複数の開発方法が確立されていますが今回の記事ではUnityプロジェクトのデプロイに関してのみまとめていきます。
Unityを用いたHoloLensアプリでは主に次のような方法でアプリケーションを実機にデプロイすることができます。
①VisualStudioでソリューションファイルのデプロイ
Unityでプロジェクトをビルドするとソリューションファイル(.sln)が作成されます。
このソリューションファイルをVisualStudioで開き、USBを用いた有線もしくはWifiを用いたリモートでHoloLensとPCを接続しデプロイを行います。
メリットとしてほかの方法に比べ素早くデプロイを行うことができます。
デメリットとしてVisualStudioが導入されており、かつHoloLensとペアリングが行われている、開発者モードが有効になっているなど環境を整える必要があり、非開発者のデプロイにはハードルが高いことが挙げられます。
②アプリケーションパッケージを用いたデプロイ
こちらは①の方法に比べ環境構築が一部ハードルが低くなっています。
アプリケーションパッケージを作成するのにVisualStudioを用いますが、その後作成されたアプリケーションパッケージをHoloLensにデプロイするためにVisualStudioを使用する必要が無いため今回のハッカソンのようなイベントやオンラインでの開発、ストアに出さなくてもアプリを配布できるため非常に便利な方法です。
デメリットとして①の方法に比べ一度アプリケーションパッケージを作成するという工程を挟んでいるため、①に比べ時間がかかります。
開発者が自分自身がデバッグや確認するためにデプロイを行う場合は基本的に①の方法が取られます。
〇アプリケーションパッケージを用いたデプロイ
①Unityプロジェクトからプロジェクトをビルドします。
正常にビルドが完了すると上画像のようなソリューションファイル(.sln)が作成されます。
②ソリューションファイルをVisualStudioで開きます。
③サイドタブのソリューションエクスプローラーからデプロイするターゲットを右クリックします。
④[公開]→[アプリパッケージの作成]を選択します。
この[アプリパッケージの作成]は作成したアプリをMicrosoftStoreに公開する際にも使用されます。
⑤[サイドローディング]を選択し[次へ]を選択します。
⑥証明書を[はい]を選択して[次へ]を選択します。
⑦最後に作成するパッケージの[アーキテクチャ]と[ソリューション構成]を選択します。
HoloLens 1stの場合は[x86]、HoloLens 2の場合は[Arm]もしくは[Arm64]を選択し[作成]を選択します。
これによって[AppPackages]が作成されます。
[(プロジェクト名)(バージョン名)ARM_Master.appx]という名前のファイルがあります。これがアプリケーションパッケージになります。
〇アプリケーションパッケージをHoloLensへデプロイ
アプリケーションパッケージをHoloLensへデプロイするためには主に2種類の方法があります。
①デバイスポータルを用いたデプロイ
こちらの方法は以前記事にしているのでこちらを参考にしてください。
②アプリインストーラーを用いたインストール
①作成したアプリケーションファイルをクラウドにアップロードします。ここではOneDriveを使用してます。
②HoloLensでクラウドにアップロードしたファイルにアクセスするためにURLの[QRコード]を作成します。今回次のサイトを使用しました。
③HoloLens2でアプリを何も開いていないMixedRealityHomeの状態で作成したQRコードを認識させます。
④Onedriveを開きアップロードされているファイルからAppxファイルをダウンロードします。
⑤ダウンロード後にアプリインストーラーが立ち上がります。
ここでアプリをデプロイすることができます。
〇参考
今回スタッフの一人である神戸で活躍されるHoloRanger堀尾さんの記事を読ませていただいてアプリインストーラーを試してみました。
企業のHoloLensなどでは現在使用できないですが、デバイスポータルを使用することもないため非常に簡単に配布してデプロイすることができるようになりました。