今回の記事は現在行っているチーム開発においてグラフィック担当以外も含めたほかのメンバーに向けて書きます。
〇Blender 3.0とBlender Launcher
[Blender Launcher]はBlender版の[Unity Hub]や[Epic Game Launcher]と呼べるようなツールで、複数のバージョンのBlenderを1台のPC内で切り分けて使用できる機能があります。
筆者環境では3つのバージョンのBlenderを導入しています。
〇そもそもBlender Launcherが必要なわけ
複数のバージョンのBlenderをPCにインストールした場合、最後にインストールしたバージョンのBlenderがデフォルトで使用されるという仕様があります。
複数バージョンのBlenderを使用する理由としてアドオンや機能の対応関係などがありますが、この問題を解消して使いやすくしたものがBlender Launcherです。
Blender Laucher経由でBlenderをインストールすることで複数バージョンを切り分けて使用することができます。
〇環境
今回行う[VR Scene Inspection]はBlender2.9xのバージョンでも使用が可能ですが、Blender3.0でVRのコントローラーが対応するなど大きくアップデートされています。
今回は以下の環境で行います。
・ Blender Launcher
・Blender 3.0
・VR Scene Inspection 0.10.1
・Windows 10 PC
・Oculus Quest 2
またOculus Linkを使用しますが、そちらの環境に関しては本記事では触れません。
〇VR Scene Inspection
①初めにPCとOculus QuestをUSBケーブルで接続します。
②Blender 3.0で[編集]→[プリレファレンス]を開きます。
③[アドオン]タブで[3D View: VR Scene Inspection]のチェックを入れ有効化します。
正常に機能が有効になるとBlender 3D ビュー画面のアドオンタブに[VR]が追加されます。
④Oculus Linkが有効な状態で[VR]タブを開き[Start VR Session]を選択します。
この状態でヘッドセットをかぶるとBlender内のモデルをVRビューで見ることができます。
この際のVRビューの視点はBlender内の[Camera]の座標になります。
VRビューの状態でモデリングや編集、レンダリングも可能です。(※レンダリングはEEVEEのみ可能です。)
〇コントローラーの使用
Blender 3.0以降のアップデートで対応した機能としてコントローラーのインプットを受け付けるようになった点があります。
Oculus Quest 2でのコントローラー操作は以下のようになります。
鉛直移動:右スティック上下
水平移動:左スティック
回転 :右スティック左右
細かい移動:Grabボタン
拡大縮小:両手Grabボタン同時
Blender 内で直接3Dモデルを見ることでBlender外にエクスポートした際の破断や細かい箇所の確認等がより素早く確実になります。
Oculus ユーザーはモデリング経験のあるなしに限らず覚えておくと幸せになれるはず…