本日はMR2022なつやすみ特別企画です。
〇MR2022年なつやすみ自由研究企画とは?
普段本ブログではxR対象者や自分自身を基準に執筆を行っていますが、今回はより掘り下げて小学生~高校生、社会人の方でも開発経験がないというような方でもMRの世界に触れることができるようにまとめていきます。
本企画では筆者自身が夏休みの自由研究に取り組む感覚で最終的にはMRを使用した作品を作っていきます。
MRにまつわる用語や現状に関して、主にエンジニア以外の方でもわかるようにということを心掛けてまとめていき最終的に3DCGや実際にMRのアプリケーションを作成してMRの世界を体験していただきます。
不明点や感想などあればコメントやお問い合わせページにてお気軽にお問い合わせください。 `
〇複合現実感 MixedReality(MR)とは?
MixedReality・・・日本語では複合現実感と呼ばれることもありますが、どういう意味でしょうか?
これはMixed(ミックス) 、Reality(リアル(現実感))と訳すとイメージがしやすくなります。
つまりミックスされた現実感という意味になります。
現実感とは私たちが生きているこの時間や空間を現実のように感じることを指していますが、何とミックスされているのでしょうか?
その答えはデジタルの情報になります。
デジタルの情報とは、スマートフォンやパソコンなどの電化製品を通してみることができる情報で、私たちの身の回りに広くあふれています。
MixedRealityとはデジタルの情報と私たちが生きている現実を自然に表現する技術を指します。
〇VRとの違い
MRととても近い言葉としてVRという言葉があります。
VirturalReality(バーチャルリアリティ)は日本語で約すると仮想現実感と表現されます。
テレビアニメや映画作品などでも多く登場する技術で、簡単に表現すると「ゲームやアニメのような異世界へ入り込める」技術です。
こちらもMR同様に私たちの生きるこの現実とデジタル情報を組み合わせる技術になります。
VRとMRの違いはどれくらい現実世界の情報が使用され、どれくらいデジタルな情報が使用されているのか?というところになります。
現実世界の情報が多い場合はMR,デジタルな情報が多い場合はVRと表現されることが多いですが、このあたりの定義は人によって大きく分かれることがあります。
例えば、アメリカの大手企業Meta社のMeta Questと呼ばれるVRヘッドセットにはMRモードと呼ばれる機能が提供されています。
これはヘッドセットについているカメラを使用して現実世界の情報を取り入れるモードですが、現実世界の映像を背景にデジタルな情報を重ねることでMRモードと呼ばれています。
一つのヘッドセットで行っていることは背景もすべてデジタルな情報で作られているか?それともカメラなどを使用して現実の世界の情報にデジタルの情報を重ねるか?という情報の割合でVRはMRにもなりえます。
つまり、VRかMRかという表現は体験するアプリによって変わります。
上の画像で紹介すると左側の地球が物理的な現実、右側がデジタル世界を意味ています。
〇MRはどうやって体験できる?
MRを体験する方法は大きく2つの種類があります。
①専用の機械を使用して体験する
一般的に頭にかぶるゴーグル型のデバイス(機械)が多いですが、ある部屋に入ることで体験できる例などもあります。
②スマートフォンやパソコンを使用して体験する
①と②どちらの方法でもMRを体験することができますが、①の方法は②の方法に対して、体験するためのハードルが高い反面、②の方法よりリッチな体験をすることができます。
またまだデバイスが世の中に出回っているとはいえず、一般的に値段が高い傾向があります。
しかし先に紹介したMeta Questは家電量販店で数万円で入手できるなど確実に手に入りやすくなっています。
②の方法はお手軽に体験することができます。
しかしあくまでもスマートフォンを利用しているため、没入感(MR体験に集中できるか)は低い傾向があります。
・専用の機械を使用した体験
有名なMRを体験するためのデバイス(機械)を紹介します。
・Microsoft HoloLens 2 (ホロレンズ)
・MagicLeap one
・Nreal Light
本ブログではHoloLensを中心としたアプリケーション開発に関する情報を発信しています。
HoloLens 2がどのようなものなのかに関しては次回の記事で紹介します。
・スマートフォンやパソコンを使用した体験
・PokemonGo(ポケモンGO)
代表例はポケモンGoです。 これはAR(拡張現実)と呼ばれる技術を使用していますが、ほとんどMRと同じであり、現実世界にポケモンがいる体験を見ることができます。
デモンストレーションの段階で実際に一般に公開はされていませんがMRデバイスであるHoloLensで表現する映像も公開されています。
〇MRでできること?
MRを使用することで従来はできなかった様々な表現ができるようになります。
ここではその一部を紹介します。
・3DCGを現実空間で見る。
従来パソコンやスマートフォンの2Dの画面越しにしか見ることができなかった3DCGが現実にあるように見ることができます。
アニメや映画の中に出てくる魔法のような表現ができるだけではなく、家やマンションの設計データを使って建築前の空き地に建物が建っているように見せて、日当たりなどを確認することもできます。
・現実の情報を強化する。
MRの特徴として現実世界の情報を使用することで、例えば壁の中にあるパイプなどの情報を壁に穴をあけることなく見えるようすることができます。
また、日本の企業Holoeyes社では病院などの医療にMR技術を用いることで、医者の手術を手助けするような使い方がされています。
〇メタバースとは?
メタバースとは2021年よりテレビなどで聞かれるようになった言葉です。
メタバースは超越という意味のメタと宇宙を意味するバースという言葉が引っ付いて生まれた言葉です。
言葉自体は1990年ごろよりありましたが、アメリカの大企業Facebook社(フェイスブック)がMeta(メタ)に名前を変えて話題になりました。
比較的に新しい言葉で現在は人それぞれとらえ方が違う言葉ですが共通して次のような要素を含んでいます。
・デジタル情報の世界であること
・ほかの人と相互性を持ったコミュニケーションが取れること
メタバースといわれるとVRゴーグルやMRゴーグルがありき、と思われがちですがパソコンやスマートフォンなどでもメタバースのサービスはあります。
例としてVRChatというサービスはデジタル空間の中で自分自身のキャラクターであるアバターを用いてデジタル世界を自由に移動したり、アバターを通してほかの人と会話をすることができます。
VRChatはVRゴーグルで入ることもできますが、パソコンで入ることもでき、デジタル空間内ではアバターを通してできる表現は異なってきますが、どちらを使用してVRChatの世界に入ってもコミュニケーションをとることができます。
新型コロナウィルスの流行を受け現在日本では、メタバースを使用した社会的な動きが加速しています。
最近の大きな例では選挙演説でメタバースが使用されています。
リモートワークと合わせてメタバースは非常に注目されている技術です。
MRのメタバースはMicrosoft社がMicrosoft Meshというプラットフォームを作っています。
Microsoft Meshでは現在はMRデバイスである、Microsoft HoloLens 2専用のアプリケーションとなっていますが、将来的にパソコン、スマートフォン、他のVR機器など様々な機器で使用できるようになることが発表されています。
〇まとめ・ポイント
・Mixed Reality(MR)とは
MixedRealityはデジタルの情報と現実世界の情報を組み合わせて相互性をもって見ることができる体験を指します。
・VRとMRの違い
VRもMRもどちらもデジタルの情報と現実世界の情報を組み合わせて表現する技術ですが、それぞれの情報の割合で呼び分けられています。
MRの方がVRよりも現実世界の情報を多く取り入れています。
・メタバースとは
メタバースはデジタルな世界の上に作られアバターを通してほかの人々とコミュニケーションをとれる空間やその体験を指します。