MR2022年なつやすみ自由研究企画第2回です!
初回はMixedReality(MR)やメタバースに関して簡単に紹介していきました。
今回はMRデバイスであるMicrsofot HoloLensに関して紹介していきます。
○MixedRealityとは?
MixedReality(MR)はデジタルな情報で構成される世界と現実世界の情報を交ぜわせて、相互性をもってあたかもデジタルな情報が現実のもののように感じることができる技術を指します。
○コラム 愛知万博のMR
2006年愛知県で行われていた愛知万博のパビリオンの一つ、日立グループ館ではメインショウとしてMRを使用したコンテンツを行っていました。
「Mixed Reality」技術によるユビキタス体験 ユビキタス・エンターテインメント・ライドに乗ってアドベンチャースコープを覗くと、Mixed Reality技術によってジオラマとCG映像が融合されリアルに再現された希少動物達の世界が目の前に拡がります。 そこにいて、本当にその動物達とふれあっているような、これまで誰も体験したことのない不思議な驚きと感動のユビキタス体験がお客さまをお待ちしています。
筆者が小学生の頃でしたが、初めて体験したMRでした。
視野角(3DCG=デジタルの情報が見える範囲)が小さく、そして輝度(3DCGの明るさ)が小さく非常に見えずらい体験でしたが、今の人生につながる大きな数分間の体験でした。
当時は大企業や大学などの研究室で行われていたような体験が10年をかけて日常で使用されるようになってきています。
この理由は、テクノロジーの恐竜的な進化とスマートフォン等の普及、そしてアプリケーションを開発する(作る)ための環境の整備が進み、多くの人々が参加しやすくなったことがあります。
○Microsoft HoloLensとは?
Microsoft HoloLensはパソコンのOS(基本的なプログラム)であるWindowsを提供しているマイクロソフト社が開発、販売するMRデバイスです。
初代HoloLensは2016年に登場し、現在は2世代目であるHoloLens 2が使用されています。
HoloLens 2 は画像のように頭にかぶるタイプのパソコンで、一般的なパソコン同様にWindows10を搭載していることで、MR専用のアプリだけではなく例えばインターネットブラウザでネットサーフィンをすることや、キーボードなどを接続してメールや文章を打ったりすることもできます。
〇HoloLensでできること
HoloLensでは大きく次の画像のような機能が搭載されています。
・空間認識(SpatialAwareness)
HoloLensは複数のセンサーで周囲の壁や床、机などの物理的な情報を得ることができます。
得た情報に合わせてHoloLens内でデジタルの空間を作ることで、現実世界との相互作用を行っています。
・空間音響(Spatial Soudns)
HoloLensでは現実世界のように3次元空間にデジタル情報を配置することができます。
この際に視野角と呼ばれるHoloLensのグラス部分でデジタルな情報を見ることができる範囲にないデジタルな情報を見つけることが難しいことがあります。
空間音響はその名のとおり、音に関する機能ですが、音源と自身との位置によって音の聞こえ方が変わることであたかも実際の音と同じように音源に近づいたら音が大きくなるようになります。
またHoloLensには左右6台のスピーカーが内蔵されているため、前後左右の音の聞こえ方に違いによって体感で音源との距離を把握することができるため、音でデジタル情報の位置を感じ取ることができます。
・ハンドトラッキング(手の認識)
HoloLensでは手を使ったジェスチャでデジタルな情報と対話をすることができます。
例えば、5本指でピアノを弾くこと、3DCGをつかみ、あたかも現実のものと同じように移動すること、手をかざすとデジタルのキャラクターが乗ってくれるなど様々な手が使えることで、よりデジタルな情報と現実の差がわからなくなる体験を行うことができます。
ハンドトラッキングを用いた筆者のアプリは次のようになります
・シェアリング(共有)
HoloLensは頭にかぶるタイプのパソコンという性質上、体験している人以外の周りの人にはどのような体験が行われているのかを伝えることが難しいです。
HoloLensでは次のような方法で体験を共有することができます。
・複数のHoloLens 2を使用した体験の共有
HoloLens 2を体験している人同士でデジタル情報の位置を合わせ、現実世界と同様に3DCGを挟んでみたりお互いでデジタルな情報を操作したりなどができます。
・HoloLens 2を持っていない人への体験の共有
Windows パソコンやスマートフォン、タブレットを用いて体験を共有することができます。
また、ミラーリングと呼ばれるHoloLensを体験している人の一人称視点の映像をほかのパソコンやスマートフォンなどで表示するということもできます。
〇世界で活躍するHoloLens
HoloLensは世界中で様々な分野で使用されています。
ここではいくつかの例を紹介します・
〇医療
日本の企業Holoeyes社では医療×MRとして医療従事者に向けて支援・教育を行うためのコンテンツを展開しています。
国際的にも一歩先に進んだ事例で、手術現場で初めてMRの利用が行われた例ともいわれています。
〇建築
建築業ではHoloLensが世に出た最初のころから多くの事例があります。
〇工業
工業は今最も注目されている分野の一つです。
最新のMicrosoft社のイベントでもインダストリアルメタバースとして技術者が遠くの地から遠隔で産業現場でのロボットなどの支援をするという事例が紹介されました。
また日本を代表する自動車メーカーであるトヨタでも活用されています。
○HoloLensが体験できるイベント
2020年の新型コロナウィルスの流行以降体験イベントは減少していますが、今までに終了したイベントも含め次のようなイベントや企画がありました。
○『リアル・パックマン・アトラクション』&『一網打尽!蚊取りパッチン大作戦』
池袋のサンシャインシティで行われていた国内で初めてテーマパークで開催されたアトラクションです。
バンダイナムコグループ「ナンジャタウン×MRプロジェクト」ナムコのテーマパークにMR(複合現実)アトラクションを導入 | ニュースリリース | 会社情報 | 株式会社バンダイナムコアミューズメント
現在は終了していしまっているものの革新的なアトラクションでした。
○Hado Kate
HadoはVR・MR技術を使用した新感覚スポーツです。
ミニカートに乗って時間内にコインを集めるというゲームです。こちらもナンジャタウンの事例同様現在は体験が終了しているようですが、今までにない革新的なコンテンツでした。
〇ゴジラナイト
東京日比谷で開催されていたイベントです。
東宝とのコラボで、進撃するゴジラを迎撃する隊員の一人となって防衛任務を体験するということができました。
こちらは2度開催されています。
〇xRデジタル恐竜パーク
北九州で21年12月から22年1月にかけて行われていた体験型イベントです。