夜風のMixedReality

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HoloLensアプリCoronavirus Explorerを遊ぶ HoloLensアドベントカレンダー2022年9日目

本日は久々にHoloLensアプリレビュー枠です。

〇HoloLens 2022年アドベントカレンダー

 HoloLens 2022年アドベントカレンダーはQiita上で私の師であるがち本さんが開催している企画です。

 クリスマスまで毎日記事を埋めていくことが目的で本日は9日目の記事になります。

qiita.com

〇Coronavirus Explorer

Coronavirus Explorerはその名の通り新型コロナウィルス(SARS-CoV-2ウイルス)の生物学的構造をHoloLensを使用してMR表示してみることができるという学習コンテンツです。

Microsoft Storeで無料で入手することができます。

www.bing.com

 アプリケーションではウィルス全体像に加え、Sプロテイン、Mプロテイン、Eプロテイン、Mプロテインの4種のたんぱく質の構造を3Dモデルとしてみることができます。

3Dモデルは手でつかんで拡大、回転、縮小ができます。

断面図も見ることができ中はRNAは入っていることが確認できます。

またRNAを多く殻部分は生物の細胞同様Liqid Bilayer(脂質二重層)が表現されています。

・Sタンパク質

Sタンパク質はウィルス表面の突起状物質のようです。

Sタンパク質は3量体の膜結合型糖タンパク質で、S1ドメインとS2ドメインという2つの異なる機能ドメインを持っている。 S1ドメインはアミノ末端付近にあり、S2ドメインはカルボキシ末端付近にある。 S1ドメインは、ヒト細胞上のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体に結合する。 S2ドメインは膜融合を媒介する。 2つのSタンパク質が1つのACE2受容体に結合し、S1-S2境界でタンパク質分解が起こり、CoVはヒトの細胞内に侵入することができます。 Sタンパク質は、その結合特性から、ワクチン開発のターゲットとされている。 さらに、Sタンパク質は糖鎖構造で覆われており、ステルス細胞として機能する可能性がある。 CoVが免疫認識から逃れるためのステルス機構として機能している可能性がある。

・Mタンパク質

Mタンパク質はLiqid Bilayer(脂質二重層)状にある小さなタンパク質です。

Mタンパク質は、ウイルスのエンベロープを構成する最も豊富な構造要素である。

ウイルスの複製中、他のウイルスタンパク質との相互作用を通じて、宿主細胞内でのビリオンの組み立てを仲介する。

エンベロープとはウィルス特有の膜状の構造で、ウィルス粒子の一番外を包んでいる構造になるようです。

・Eタンパク質

Eタンパク質はEタンパク質はSタンパク質より小さな突起状物質です。

Eタンパク質は、小さな膜タンパク質で、CoVのライフサイクルや病原体の形成に関与している。

Eタンパク質は、膜の湾曲や膜の切断を維持する役割を担っていると考えられている。

・Nタンパク質

Nタンパク質はRNAを包んでいるタンパク質です。

ヌクレオカプシドは、RNAゲノムを封じ込めたNタンパク質で構成されています。 Nタンパク質は細胞質液に可溶であるため、ウイルスゲノムは侵入時に宿主細胞内に放出されることが可能である

ヌクレオカプシドとはウィルスを包むたんぱく質の殻を指すようです。


Coronavirus Explorerではモデルとその説明を見ることができるというMRアプリとしては最も簡単なものですが、ウィルスという目に見えずかつ世間的にも恐怖として広まっているテーマを非常にわかりやすく、教育アプリとしては非常に面白いと感じました。

見えないものが見える・感じることができるだけで恐怖心というものは減ると感じるんため正しくウィルスを恐れるためにも非常に意義のあるアプリケーションに感じています。