本日はHoloLens2デバイスそのものの調査枠です。
Hololens,HoloLens2にはSpatialSound(空間音響)と呼ばれる機能が用意されています。
〇空間音響とは?
SpatialSounds(空間音響)はHoloLensに搭載されている6基のスピーカーを使用してMixedRelity世界に配置したオブジェクトから音が出ているように聞こえる機能です。 これによってユーザーは音でオブジェクトの位置を確認することができます。 空間音響自体はHoloLens特有の機能というわけではなく、一般的な3Dゲームでも多くの場合使用されています。 例えば、FPS(一人称視点シューティングゲーム)などでは空間音響によって敵の発砲音から位置を推測するゲームがあります。(具体例:フォートナイト) HoloLensの場合ゲームでは[RoboRide]のように敵の攻撃をSpatialSoundsによって避けたり、[Fragments]ではホログラムのキャラクターとの会話やゲーム進行に大きな影響を与えています。(残念ながらFragmentsは現在HoloLens 2対応はしていないようです。)
〇HoloLens2での問題
HoloLens 1stから開発に取り組んでいる筆者ですが、HoloLens 2ではHoloLens 1stに比べSpatialSoundsがわかりづらい、機能していないように感じていました。
以前作成したアカペラアプリでも、ユーザーとの距離による音源の減衰に関しては変わりやすいのですが、デバイス左右の音源の減衰がわかりづらく、HoloLens1stに比べ音の距離はわかってもユーザーに対しての方向がわからない状態でした。 redhologerbera.hatenablog.com
〇解消
HoloLens 2の[Setings]アプリを開き[Ease of Access]を開きます。
[Turn on mono audio]をオフに切り替えます。
この設定を触ったことはないので、デフォルトで[モノラル]な状態になっているようです。(もしくは何かしらの原因でモノラルになった)
[モノラル]からステレオになることで左右のスピーカーの音源差が現れ、SpatialSoundの機能がより発揮されます。
[モノラル]の設定の利点としてはSpatialSoundを必要としない場合やユーザーによって違う音の感じ方に対応できる点です。
SpatialSoundはより現実的な音をユーザーに提供しますが、HoloLens2の視野角は限られており、音が聞こえてくる方角がわかるのにオブジェクトを見つけることができないことも考えられます。
また、左右で音の大きさが違うことは時に不快感を与えることもあります。 これらの原因から[モノラル]の設定があると思われます。
〇実機で確認
前半部はステレオ、後半部はモノラルな音源になっています。ヘッドフォンやイヤホンで聞くと違いが分かると思います。
以上HoloLens2のサウンド設定でした。