ECCV2020でHoloLens 2のリサーチモードが公開されました。
今回はHoloLens2のリサーチモードのチュートリアルを見ていきます。
〇ResearchModeとは?
ReserachModeは一言で言うと『HoloLens 2デバイスのセンサー自体に直接アクセスして研究開発のためにデータを取得できる』機能です。
上の画像はResearchModeのチュートリアルのスライドです。
通常はOSを介してセンサーなどの情報を取得しますが、ResearchModeではそれらが直接アプリケーションで使用できることを図式化しています。
〇ResarchModeのデメリット
Research Modeを有効にしている場合ResarchModeの機能を使用しない通常の使用時でも多くのバッテリーが消費されるようになります。
また、センサーの誤動作などパフォーマンスが低下する恐れがあります。
ResarchModeはOSの更新などで大きく影響を受ける可能性があり、クローズドなアプリなど外部展開を想定していない場面のみで使用可能です。
また現在パブリック プレビューの段階であることも重要な点です。
〇アクセスできるセンサー
HoloLens2 には次のようにセンサーが内蔵されています。
このうち次のセンサーにアクセスできます。
・ヘッドトラッキングカメラ
・深度およびIRカメラ
・ジャイロ
・加速度計– X、Y、Z
・磁力計
〇Research Modeのセットアップ
ResearchModeは[OSビルド19041.1373]以降で使用可能です。
・デバイスのOS情報確認
①HoloLens2 デバイスから[Settings]を開き[System][About]を開きます。
②[Software]の[OS build]を確認します。
もし[Windows Update]を実行しても19041.1373よりバージョンが小さい場合インサイダービルドを実行します。
・Windows Insider Program
Windows Insider Program(以下インサイダープログラム)は最新のOSをいち早く入手することができるプログラムです。
開発者にとってResearchmodeなど新たな機能をいち早く使用できるだけでなく、バグの発見や既存のアプリケーションの更新などの手段として非常に便利に使用することができます。
Windows10OSはOSは自動アップデートでネットワークにつながっていない端末を除きすべてのデバイスが強制的に更新されます。 更新によって発生するであろうバグの発見やフィードバックの共有の場としても利用されます。
リスクとしては既存のアプリケーションが動かなくなる場合や致命的なバグと遭遇する可能性があります。
・インサイダープログラムの参加
①HoloLens2デバイスの[Settings]アプリから[Update & Security]を選択します。
②サイドタブから[Windows Insider Program]を選択します。
ここでインサイダープログラムに参加することができます。
〇ResearchModeの使用
①デバイスポータルへ接続します。
デバイスポータルへの接続は過去の記事を参考にしてください
②デバイスポータルのサイドタブから[System][ResearchMode]を開きます。
[ResearchMode]が表示されていない場合はOSビルドが低い可能性があります。OSを更新するかインサイダープログラムに参加します(インサイダープログラムはリスクもあるので自己責任で)。
③[ResearchMode]を有効化します。
最後にデバイスを再起動すると[ResearchMode]が有効になります。