本日はHoloLens枠です。
本日は筆者も開発に参加させていただき運用いただいているHoloLensコンテンツのメンテナンスに行っていました。
HoloLensトラブルで熱によるトラブルは多いため今回は軽くまとめていきます。
〇HoloLensと熱トラブル
HoloLensはデバイスの仕様上熱を発しやすいという特徴があります。
特に夏場などは直射日光が当たっていない状態でもデバイスがオーバーヒートしてしまい、アプリケーションだけでなくシステムがダウンし、冷却が完了するまで起動できないことがあります。
HoloLens2の場合パワーユニットは後頭部にありますが、発熱はHPU(HolographicProcessingUnity=HoloLensのSoc)がある前面ディスプレイ上部が発熱します。
HoloLens2を実際に着用していると熱を持っていること自体は感じやすいのですが、実際にどのタイミングで落ちるのかなど簡単に調査した結果を半分経験談でまとめます。
〇HoloLensの熱の確認法
HoloLensを着用していると熱を感じることはありますが、これが実際にどのくらいの熱であるのか可視化することは簡単ではありません。
このような場合はデバイスポータルを用いることで確認できます。
デバイスポータルでは上部にHoloLensのステータスが表示されます。ここではデフォルトでCoolと記述されているアイコン部がHoloLensの熱のステータスになります。
筆者が確認できただけで以下のようなステータスがあります。
ステータス名 | アイコン色 | 説明 |
---|---|---|
Cool | デフォルトの温度 | |
Warm | 注意域 | |
Hot | デバイスが熱を持っていていつ落ちてもおかしくない | |
Critical | デバイスが熱を持っており一刻も早く冷却が必要 |
〇熱を持っている状態での問題
HoloLensではデバイス保護のために熱を持っているときは一部の機能が制限されることがあります。
ドキュメントが見つからなかったので筆者が確認している範囲ですが、USBケーブルで外部バッテリーなどに接続していても給電が停止されることがあります。
これは一時的なもので、冷却が完了すると再度給電を開始します。
つまり熱を持っている状態ではよりバッテリーの減りが速くなるということでもあります。(バッテリーの電気が熱エネルギーに変換され、さらに給電が停止されるため)
〇Power Thermal SDK
デバイスポータルではPowerThermalSDKTestという項目があります。
Power ThermalSDKはデバイスポータルで取得できていたようにデバイスの温度を取得するAPI群です。
PowerThermalSDKTestではこのAPIを使用して現在の温度レベルを見ることができます。
ここではバッテリーやCPU、GPUレベルで温度のスコア評価が行われています。
Thermal ScoreはCool時は100ですが、熱を持つと低下し、50を下回るとデバイスポータル上のステータスでWarm、10を下回るとHot、5を下回るとCriticalが表示されます。
HoloLensの場合冷却性能は高いため、1~2分低負荷な操作を行うことですぐに熱を解放してThermal Scoreを上げることができます。
このSDKをアプリケーションで使用することは次回行っていきたいと思います。
本日は以上です。