本日はMRTK3枠です。
MRTKはもともとMicrosoftが開発/提供していたMixedRealtiyデバイス向けの開発ツールですが、23年のMicrosoftでのチーム解散に伴い23年夏以降独立した別組織としてのリポジトリが立ちました。
今回は新しくなったMRTKのリポジトリを覗いてサンプルシーンを実行します。
〇MRTK3のリポジトリについて
もともとはMicrosoftのチームが組織として開発していたためMicrosoftのリポジトリとして提供されていました。
しかし独立に際しMixedRealityToolkitという組織の提供するツールとしてリポジトリも独立しています。
つまりMicrosoftのリポジトリとそこから派生したリポジトリの2つが存在することになります。両者の展開については以下のようになります。
組織 | 更新 | 備考 | |
---|---|---|---|
Microsoft/MRTK | Microsoft | MRTKv2のアーカイブ+バグ修正のみ | 廃止されるまでMRTKv2のみサポート |
MixedRealityToolkit/MRTK | MRTK3以降の新機能開発 | MRTK3以降のサポート |
つまりMRTKv2を使用する場合はMicrosoft、MRTK3を使用する場合は新組織のリポジトリを使用するということになります。
Microsoftの提供しているMixedRealityFeatureToolsを使用する場合はこの辺りのパッケージ関連を意識する必要がなく自動的に最適なパッケージが導入されるようになっていますが、例えば今回見るようなサンプルシーンの確認などソースを見る場合は注意が必要です。
〇MRTK3のサポートプラットフォーム
・Microsoft HoloLens 2
・Meta Quest 1/2
・Windows Mixed Reality (experimental)
・SteamVR (experimental)
・Oculus Rift on OpenXR (experimental)
・Varjo XR-3 (experimental)
〇MRTK3のサンプル
MRTK3のサンプルは現時点ではMRTK3開発リポジトリをCloneもしくはダウンロードしてUnityプロジェクトを開くことで確認できます。
[https://github.com/MixedRealityToolkit/MixedRealityToolkit-Unity/tree/main/UnityProjects/MRTKDevTemplate:embed:cite]
MRTKv2時代はMRTKExamplesと呼ばれるパッケージがありましたが、現時点ではサンプルパッケージとして提供されていません。
現在筆者がMRTK3側にこの点を指摘し、よりアクセスを容易にするためにExamplesパッケージの作成を提案中です
MRTK3では各機能ごとにより細かなパッケージとして公開されるようになっていますが、上記イシューでのやり取りを通して一つのサンプルシーンが複数のパッケージに依存することでサンプルシーンのバージョン管理等が難しくなっているようです。
MRTKv2時代は各パッケージのバージョンアップは一律になっていましたが、MRTK3ではそれぞれ別のタイミングでアップデートされます。これがMRTK3のサンプルの提供方法に影響を与えています。
〇サンプルの実行
①MRTK3プロジェクトを入手します。
git clone git@github.com:MixedRealityToolkit/MixedRealityToolkit-Unity.git
②.git直下UnityProject内のDevTemplateをUnityHubでProjectとして開きます。
23年10月初旬現在でUnity2021.3.21が開発プロジェクトのUnityバージョンとして使用されています。
③Assets/ScenesにMRTK3のサンプルが含まれています。
今回は例としてSampleEmptyMRTKSceneを紹介します。
こちらのシーンはその名の通りMRTK3の最低限のシーン設定であり、このシーンを複製して自身のコンテンツを埋め込むことができます。
MRTK3のサンプルについての詳細はまた別の機会に紹介しますが、以上でサンプルシーンの実行が完了しました。