本日はイベント枠です。
9月の23~25の3連休で筆者の先輩HoloRangerであり、数多くのコミュニティで活動されているイワケンさんによるxR業界を目指す学生向けの開発合宿が行われていました。
筆者自身は都合が合わず合宿自体は参加することはできなかったのですが、最終日である25日の成果物発表会に参加させていただくことができたので今回はどのような成果物が生み出されたのかまとめていきます。
今回は第一回目です。
〇IwakenLabとは?
Iwaken Labはイワケンさんが主催する「技術好き学生活躍支援コミュニティ」です。
xRやフォトグラメトリ、3Dなど最新技術が好きで学びたい、個人的にもう活動しているという学生さんを支援しながらxR業界ですでに活動・活躍している先人たちと交流しながら好きをベースに活動しています。
前回はVPS開発座談会に参加させていただきました。
〇イベント概要
・主催者:イワケンさん(https://twitter.com/iwaken71 )
・期間・場所:9/23~25までの3連休で熱海で行われています。
・目的 :10年後まで思い出に残る体験 自由研究と成果発表・ブログ記事
・テーマ: 自由研究
・人数: 18名
・支援者:
学生さんということもあり、できるだけ資金的な負担を抑えるためにxR業界で活動するエンジニアを中心とした個人支援者も集まっており、大きな規模のイベントとなっています。
主催者のイワケンさんによりNoteにて個人支援者さんに関する募集や支援された方によるメッセージが紹介されています。
【支援求む】XR好き学生14名に2泊3日温泉開発合宿をプレゼントしたい (支援者30名・募集終了)|イワケン|note
筆者自身は直接の支援はできなかったものの、こうして成果物を聞きながらイベントのレポートとしてまとめる形で支援させていただいています。
期間中は台風の接近がありましたが、無事に開発合宿を行え、終えることができたようです。
次の機会があれば筆者もぜひ、もっと深い支援だけでなくメンターなのか助っ人なのかはわかりませんが現地に参加してみたいです。
・合宿の様子
〇発表会
今回はVPS座談会同様にオンラインホワイトボードサービスMiroを使用して感想などがリアルタイムで書き込まれるようにして進められました。
評価軸として思い出がコンセプトのため「思い出にふさわしい印象に残る作品」という軸で一人当たり5票投票して各作品を評価、上位には景品がありました。
〇スケジュール
メンターに合わせて松迫/みゃおんグループ、イワケングループ、ごんびぃーグループの3部に分かれてそれぞれ間に休憩をはさみながら行われました。
〇松迫/みゃおんグループ
メンターの松迫さんとみゃおんさんによるグループです。
松迫さんとは筆者とお仕事でも一緒に活動しています。 スキルもですが、技術に関する考え方や活動など、とても素晴らしいエンジニアです。
〇1人目 とうとうさん
PickPitTwwetシステムを開発されたそうです。
VRChatで撮った大量の写真から4枚をTwitterに投稿できるシステムを開発されたそうです。
目的として新規ユーザーを増やすための発信としてSNSに投稿するうえで撮影した大量の写真から選ぶのが大変ということで自動化するシステムとしたそうです。
同じ絵柄が選ばれないようなdHashと呼ばれるアルゴリズムを用いて選別するようにしているそうです。
実行速度が速いという利点があるようで、ざっと見てみたものの普段触れていない筆者には少し理解の時間が必要そうです。
ですが、情報処理という意味でとても重要な技術でいずれ学ばねばと思っています。
筆者は自動化などはそこまで詳しくないのですが、dHashは画像処理などでも使用されているようで非常に魅力的で応用できそうな内容でした。
またVRChat以外にもテーマパークから日常まで多くの写真を撮影してピックアップしてshareする仕組みは非常に社会貢献性もある魅力的な取り組みと感じました。
〇2人目 みゃおんさん
自由研究のテーマとして体験のアーカイブを選び活動されたそうです。
最初は魔剤タワー(おそらくエナジードリンクの山=エンジニアの合宿では恒例行事)をモデル化しLookingGlassを使用して見れるようにしたそうです。
合宿会場をスキャンし、合宿中にclusterのバーチャル会場を作成したそうです。(すごい)
また、オンライン参加のメンバーをLookingGlassを用いて点群で実態感を持たせ召喚したそうです。
以上の3つの体験のアーカイブを3日間で行ったそうです。
限られた合宿の期間で3つの視点からテーマに沿ってチャレンジが見れました。
〇三人目 みやぎさん
光る山羊というネームでボカロPをされているそうです。
Unityに慣れるというテーマで合宿に参加されたそうです。
普段Unityを触ることは少ないようで空間音響を使用したXRコンテンツを作ってみたいという目標があるそうです。
成果物として次のように空間内で歌詞と音が流れる空間が共有されました。
unityで作ったVRMVのデモ上げ
— みやぎ/光る山羊 (@hikaru02332) 2022年9月26日
空間音響の使い勝手もいい。とりあえずフル尺MV作りたいわね
IwakenLab.合宿楽しかった! pic.twitter.com/BtEnUKiK1L
空間音響×XRが次の音楽の形という未来予想の元空間全体で音楽を表現できたら面白いのではという考えでトライされているそうで、これらの取り組みはVRChatなどでもパーティクルライブなどで一部実現されている世界なので、非常に長期的なレベルの高いアプローチと感じました。
一緒に活動する仲間を募集されているとのことで筆者としても非常に興味があり、VRだけではなくHoloLensやMagicLeapなどでMRに昇華させVRだけではなく体験できるような活動をされるあらぜひクロスプラットフォームで実現してみたいです。
xRは空間全体を使用する性質上、音楽は非常に重要なファクターでブルーオーシャンな領域と感じます。
〇4人目 E.Koizumi/ぽるしぇさん
建築設計作品をVRCでワールド化Vmap企画書の作成というタイトルで
今回2つのアプローチの製作を行ったようです。
大学で建築にかかわっているそうで建築とVRChatを結び付け活動したそうです。
発表では素早く説明されていましたが、ライティング設定などでかなり化けているのでここら辺はグラフィックに興味がある筆者としてはぜひ具体的に聞いてみたかった点です。
二つ目はメタバースにかかわるアプローチです。
MNS=あらゆる仮想空間をネットワーク化するサービスをより簡易に使えるようにということでVmapというアプリを企画しているそうです。
ユーザーがメタバースのマップを作っていることで、たまっていくことで時代ごとの考え方やとらえ方がたまっていき、まるで世界地図が埋まっていくような感じでアーカイブされていくようです。
図書館のように空間がたまっていく構想があるそうで、メタバースという比較的新しい領域にあっており、とても素晴らしいアイデアを感じました。
VMapは現在進行中で開発中のようで企画書もシェアされ、幅広く意見を取り入れていると感じました。
〇5人目 HODAIさん
松迫/みゃおんグループ最後の発表はHODAIさんでした。
テーマはクロスプラットフォームのフォトグラメトリアプリということで発表されました。
スマホなどで投稿した画像で生成される3Dモデルをあらゆるプラットフォームでダウンロードでき、利用できるシステムを作ったそうです。
**MeshRoom**を利用して利用者が画像を投げるとサーバーで処理が動き、ストレージサービスに保存され、各プラットフォームで利用できるようにしているそうです。
この際GIF画像などでサムネイルのようなものも作成されるそうで、使いやすさもこだわりを見られました。
製作期間は1か月とちょっとらしく筆者はサーバー回りなどの知識はないのでものすごくレベルの高いように感じました。
〇松迫/みゃおんグループ感想
一人当たり数分のわずかな時間でものすごい情報量でした。
それぞれの興味や分野に偏って発表されていたものの、全員に共通して次を感じさせる今後の展望がありました。
合宿という限られた時間内で形にすることはできなくても、将来的に実現できる作品の一ピースをそれぞれの発表から受けました。
そしてもう一つ、将来的に発表で共有された作品や合宿で作られた技術が完成した形やもっとブラッシュアップされた形で世界に対して発信されたとしたらすべてがxR業界にとって役立つ・便利な・誰かを助ける・喜ばせるような新たなインパクトになりえると感じました。