夜風のMixedReality

xRと出会って変わった人生と出会った技術を書き残すためのGeekなHoloRangerの居場所

IwakenLab開発合宿2022 発表会イベントレポート その②

本日は昨日に引き続きイベント枠です。

 9月の23~25の3連休で筆者の先輩HoloRangerであり、数多くのコミュニティで活動されているイワケンさんによるxR業界を目指す学生向けの開発合宿が行われていました。

 筆者自身は都合が合わず合宿自体は参加することはできなかったのですが、最終日である25日の成果物発表会に参加させていただくことができたので今回はどのような成果物が生み出されたのかまとめていきます。

 今回は第2回目です。

 前回は3つのグループのうち松迫/みゃおんグループの発表をまとめました。

 

redhologerbera.hatenablog.com

〇IwakenLabとは?

 Iwaken Labはイワケンさんが主催する「技術好き学生活躍支援コミュニティ」です。

 xRやフォトグラメトリ、3Dなど最新技術が好きで学びたい、個人的にもう活動しているという学生さんを支援しながらxR業界ですでに活動・活躍している先人たちと交流しながら好きをベースに活動しています。

iwakenlab.jp

 前回はVPS開発座談会に参加させていただきました。

  redhologerbera.hatenablog.com

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〇イベント概要

・主催者:イワケンさん(https://twitter.com/iwaken71 )

・期間・場所:9/23~25までの3連休で熱海で行われています。

・目的 :10年後まで思い出に残る体験    自由研究と成果発表・ブログ記事

・テーマ: 自由研究

・人数: 18名

・支援者:

学生さんということもあり、できるだけ資金的な負担を抑えるためにxR業界で活動するエンジニアを中心とした個人支援者も集まっており、大きな規模のイベントとなっています。

 主催者のイワケンさんによりNoteにて個人支援者さんに関する募集や支援された方によるメッセージが紹介されています。

【支援求む】XR好き学生14名に2泊3日温泉開発合宿をプレゼントしたい (支援者30名・募集終了)|イワケン|note

 筆者自身は直接の支援はできなかったものの、こうして成果物を聞きながらイベントのレポートとしてまとめる形で支援させていただいています。

 期間中は台風の接近がありましたが、無事に開発合宿を行え、終えることができたようです。

 次の機会があれば筆者もぜひ、もっと深い支援だけでなくメンターなのか助っ人なのかはわかりませんが現地に参加してみたいです。

・合宿の様子

〇発表会

 今回はVPS座談会同様にオンラインホワイトボードサービスMiroを使用して感想などがリアルタイムで書き込まれるようにして進められました。

評価軸として思い出がコンセプトのため「思い出にふさわしい印象に残る作品」という軸で一人当たり5票投票して各作品を評価、上位には景品がありました。

〇スケジュール

メンターに合わせて松迫/みゃおんグループ、イワケングループ、ごんびぃーグループの3部に分かれてそれぞれ間に休憩をはさみながら行われました。

〇イワケングループ

主催者でもあるイワケンさんによるグループです。

twitter.com

〇1人目 Kentyさん

3次元アルバムというテーマで作成されたそうです。

  写真よりも鮮明に思い出をということで、合宿中の光景をフォトグラメトリにして2Dではなく3次元でアーカイブする取り組みをされています。

 各人の頭にはSNSのアイコンが表示され、フォトグラメトリで多少姿がつぶれてしまってもその人が誰なのか補足できるようにされていました。

 技術的にはスキャニバースとUnityを使用してメッシュを作成し、スタイリーを使用してアップロードしたそうです。

Scaniverse: 3D Scanner + LiDAR

Scaniverse: 3D Scanner + LiDAR

  • Toolbox AI
  • 写真/ビデオ
  • 無料
apps.apple.com

スキャンアプリは多々あるものの筆者はスキャニバースを使ったことがなかったので非常に使ってみたいと思いました。

 また、STYLYもよくUnityXRエンジニアが使っていますし筆者自身もよくUnityのブログと合わせてみていますが意外と使ったことがなかったので改めて盲点といいますか、触らなくてはいけないなと刺激を受けました。

〇2人目 くにさん

普段ゲーム学科で学ぶ大学2年生さんです。

 MultiPlay AR Gameというテーマで発表されました。

 現在多くのゲームはマルチプレイが主流になっています。

 昔と異なり現在ネットワークを利用したマルチプレイが主流になっていますが、これは集まるという機会が減少してしまっています。

技術的にはNiantecの++Lightship ARDK++を利用してマルチプレイを実装しているそうです。

特別なことはなくNaiantecのSDKとUnityだけを利用しているそうです。

昔子供がDSをもって公園で集まっていたように、インターネットや位置情報サービスなどではなくパッと集まってパッとできるARゲームを将来的に作りたいそうです。

ARはリアルの環境によって同じアプリでもユーザーの体験が全く変わります。

 公園などでポケモンGOなどでデバイスを持っている集団を目にすることはありますが、それぞれのローカルのアプリケーションを体験しており、せいぜいレイドバトルのようなものが多いです。

 それぞれが自分のスマホの画面だけを見るのではなく、スマホの画面を通してもほかのプレイヤーの姿やインタラクションを見ながらプレイできる体験があればより魅力的でかつコミュニケーションが生まれるのではないでしょうか?

 そのようなことを感じました。

〇3人目 Hyassyさん

Real world Metaversもっとも距離の近いデータを爆速検索する

というテーマで活動されたそうです。

360℃動画を利用してdigitalツイン環境の構築とコンテンツの配置によるメタバースの取り組みを行っているそうです。

これを行う際の課題としてデータが膨大になることがあるようです。

 性質上膨大な360度動画を使用するうえで、ある点に対してどの動画を使用するのかという選別が必要になるそうです。

この検索速度を1000倍にすることをされたそうです。

今後はAR SNSを作成、リリースすることを予定しているそうです。

 360度のVRは筆者もよく見たことがありますが、その中で移動ができて体験ができる、そしてそこにSNS要素を持たせという構想を見て、アーカイブや地域再発見、ハザードマップ、地域振興などより多くの人を巻き込んだコンテンツが生まれるのではと思いました。

〇4人目 エサキさん Auto Pic in Video

Auto Pic in Videoというテーマで作成をされたそうです。

動画を取りながら写真を撮りたい という課題を基に動画を撮影しながら、人を認識して人が中心となるような写真を抽出、画像として撮影できるシステムを開発されたそうです。

また、ぶれが生じた画像が撮影された場合検知して、破棄する機能も付いているようです。

今後の展望として複数人対応やリアル環境だけでなくVRChat内での撮影などもできればより使用の幅が大きくなるという発表がされました。

 これは意外と筆者は欲しい機能でした。

 iPhoneなどでも同様の機能はあるもののあくまで動画のスクリーンショットでよいのでは?と思うこともあり、xRだととくに、ユーザーも含めた周囲の環境ごと体験の保存と実際の人物写真のように被写体としてデジタル情報でデコレーションされたアバターやリアルの人だけを撮影したいときがあります。

 そういった場合に便利と感じました。

 先日まとめた松迫/みゃおんグループのとうとうさんの作品PickPitTwwetと組み合わせると非常に面白いものができそうだと思いました。  

〇5人目 なおさん 

VR空間・現実空間の家電の動機

現在イギリスに留学されオンラインで参加されたそうです。

電子工作や3Dプリンターによる作成などを普段行っているそうです。

リアルとバーチャルの同期とした体験を目標としているそうです。

この第一歩として照明を同期してカメラのISOを利用して照明のオンオフを検知する機構を利用したそうです。

このセンサーはSpresenseというスタンドアロンで動くセンサを使用して検知を行っているようです。

 二日間ではここまでのようでしたが、通信を実装してVR空間との同期を行うことを今後行うそうです。

筆者はエアコンや照明の消し忘れなど時々あるので、家からオフィスに出社して、照明やエアコンの管理ができればとてもうれしいと思いました。

〇イワケングループ感想

 イワケングループの発表を聞いて筆者がまず感じたのは「これ、作って!そして使わせてほしい・つかいたい」でした。

 課題に対して筆者がとても共感でき、そしてそれに対するAが筆者が使いたくなるような魅力をいつの間にか感じていたような発表でした。

 また、ほかの方の発表で発表された作品とも相性が良く、筆者がもしリーダーやメンターであればあの人とあの人を混ぜてみよう!とやりたくなるような汎用性が高い発表が多かったです。

 そしてそれはそれだけ社会貢献性や将来性が含まれていると感じました。