本日はMRTK3枠です。
今回はMRTK3でHolographicRemotingを試していきます。
〇MRTK3について
MRTK3はUnity向けのMixedRrealityデバイスアプリケーション開発用のパッケージです。
もともとMicrosoftHoloLensの開発SDKとして登場しましたが、その後のMixedRealityデバイスの登場に合わせサポートするターゲットを増やしていくとともに第二世代のMixedRealityToolkitとしてMRTKv2が登場しました。
そのMRTKv2の問題点を解消してより使いやすくしたパッケージとして再構築されたものが第三世代のMRTK3になります。
〇MRTK3が解決した問題
MRTKv2は様々なデバイスをサポートするようになりましたが、依存性の問題がありました。
例えば、MetaQuest向けに開発する際にInputなどはOculusIntegrationを使用したいが、ボタンなどだけMRTKの機能を使用したいといった場合など、MRTKの一部のみを使用したいという場合でもMRTKのすべてをプロジェクトにインポートする必要がありました。
この依存性の問題を解消して、機能ごとにパッケージを細かくしOpenXRに準拠する形で提供されるようになったのがMRTK3です。
〇HolographicRemotingとは?
HolographicRemotingはHoloLensおよびHoloLens2でPCと有線もしくは無線で接続し、Unity製アプリケーション、Unityエディタを実行できる機能です。
主な用途としては以下の2つがあります。
①UnityEditorでデバッグ
MetaQuestやPicoと異なりHoloLensはスタンドアロンでの稼働が前提でありながらPCと接続した運用は基本ではありません。
こうした場合にMetaQuestなどで行えるようなUnityでデバッグするといったことをHolographicRemotingを使用することで可能としています。
②PCのパワーを使用してHoloLens単体では実現できないことを行う
HoloLens単体では実現できない、例えばレイトレーシングや数百万ポリゴンのオブジェクトの描画といったグラフィック処理などの計算処理をPC側で行い、HoloLensは描画とインプットのみを行うことでよりリッチな体験を実現することができます。
この形態はPCVRと同じ考えの運用になります。
〇MRTK3でのHolographicRemoting
今回は以下の環境で検証しています。
・Windows11PC
・HoloLens 2
・Unity2022.3
・MRTK3
・MRTK Core Definition 3.0.0
・MRTK Input 3.0.0
・MixedReality OpenXR Plugin 1.9.0
HolographicRemotingはCore Definitionに含まれています。
MRTK3を導入したUnityで上部ワールドタブからMixedReality→RemotingからHolographic Remoting for Play Modeを選択します。
設定が必要なのは一点でRemote Host NameのIPアドレスをHoloLensのIPアドレスに設定します。
HoloLens側でMicrosoftStoreで提供されているHolographicRemotingアプリを起動し表示されているIPアドレスを入力します。
なおHoloLens側でWifiを切り、有線ケーブルで接続したほうが安定します。
MRTK3のHolographicRemotingの接続は以上です。