昨日、2019年12月29日熊本でHoloLens 2の体験会が行われました。
私はスタッフとして体験のアテンドを行ってきました。
体験会のスタッフという体験の中でHoloLens 1stとは異なる新たな発見もありましたので記事にまとめます。
〇イベント概要
今回のイベント詳細は以下のリンクになります。
スタッフ合わせ15名ほどでおそらく九州では初だろうパブリックな機会でのHoloLens 2体験会でした。
今回私がHoloLens 2のアプリ開発も含めた体験があることと、地元である熊本に帰省していたこともあり、主催者のガチ本さんからお声掛けいただきアテンド側としてイベントに参加しました。
初めてのコミュニティでのHoloLens 2アテンドの機会でした。
〇開封の儀
今回のイベントでは熊本のMRPP(MixedRealityパートナー企業)のご好意で、2台のHoloLens 2を触ることができました。
一台は箱から出す瞬間の感動を共有する通称『開封の儀』を行いました。
詳しくは今回の主催者でもあり、熊本のxRコミュニティーリーダーでもあるガチ本さんが記事でまとめておられます。
今回参加した10名近くの方はほぼ全員がHoloLens 1stを体験したことがある人でしたが、やはりHoloLens 2がアンボックスされていく瞬間は歓喜の声が上がりました。
〇体験
今回次のアプリが体験できました。
・ヒント
HoloLens 2の使い方や操作方法を体験するチュートリアルアプリです。
・ プレイグラウンド
ピアノを弾いたり、手に沿って鳥がついてまわったり、視線だけで操作を行うデモアプリです。
・MRTK Examples Hub 2.2.0
開発ツールであるMRTKのサンプルがひとまとめになったアプリです。
・ MRDL Surfaces 1.1.0
HoloLens 2のハンドインタラクティブをアニメーションと音によって体験するアプリです。
ボールに手を伸ばしたら指一本一本に電気が走る(アニメーション)、右手で惑星に触れると惑星が凍り、左手で触れると氷が解け草木が伸びる など音とアニメーションで視覚、聴覚によって温度や電気が走る感覚を再現するデモアプリです。
・ Type In Space
以前このブログでも紹介したタイポグラフィーのアプリです。
HoloLens 2ではHoloLens 1stに比べUIが最適化されているため、よりストレスフリーな体験ができます。
Sharing porting/design/development story on my personal project #TypeInSpace for #HoloLens2. https://t.co/Dr0A2VS7Ug#MadeWithMRTK #MRTK @HoloLens #MixedReality #AugmentedReality #VirtualReality #AR #MR #VR #XR #Typography #UX #Design #Unity #Unity3d @Unity3d #MadeWithUnity pic.twitter.com/7JRxEqUJsv
— Yoon Park (박동윤) (@cre8ivepark) 2019年12月11日
・ RoboRaid
HoloLensの定番アプリでシューティングゲームです。
HoloLens 1st と比べ進化しているようですが、バグが多く体験することはできませんでした。
〇HoloLens 1stのアテンドとの違い
先日のDigiGirlzイベントを含め非常に多くの人へHoloLensの体験をアテンドしたことがありますが、HoloLens 2では今までに経験しなかった気づきがありました。
・gestureができない
HoloLens 1stではAirTapというgestureで操作を行いました。
HoloLens 2では1stとは異なり、選択を行うためのカーソルが手から発せられるビームで行います。(1stではカーソルは頭に追随する)
また、HoloLens 2ではオブジェクトを直接触ることで操作もできます。
1stではもしAirTapができないという体験者がいてもカーソルさえ合わせてもらえば(オブジェクトを見てもらえれば)アテンド側からAirTapして外部操作することもできました。
が、HoloLens 2では完全に体験者の代わりにジェスチャーを外部から行いヘルプすることはできなくなりました。
もちろんHoloLens 2では視野角も広がり、gestureの種類も増えたので難易度としては下がっていますが、今回ホログラムのオブジェクトとの距離感がつかめず、ボタンを指で押すことができない体験者もいました。
「一歩前へ出て押してみてください」と声をかけることでうまくボタンを押すことができました。 HoloLens 2を初めて体験する場合距離感をつかめないことがあります。
また、手から出るビームによるAirTapと直接オブジェクトを触る操作の切り分けはアプリごとに開発者が指定した距離で行います(ある程度近くなったら触る操作に切り替わる)。
この切り替えに戸惑う体験者もいました。
・EyeTracking(視線操作)
HoloLens 2では体験者ごとに一回一回瞳孔間距離など調整する必要があります。
視線操作は人によっては見つめるだけで操作できるのでよい評価でしたが、うまく視線を誘導する、もしくはそのような説明をアテンド側であらかじめ行わないと初めて体験する人は使えない(わからない)という印象を受けました。
・発熱
今回HoloLens 2を2台、2時間運用してバッテリーとしてはぎりぎりな状態で運用しました。
バッテリーよりも深刻だったのがHoloLens 2の発熱とアプリ、もしくは本体自体が落ちてしまうことがありました。
今回は「接続」アプリでモニターしていたので対応できましたが、デバイスの特性上VRなどのHMDと異なり真っ暗になるのではなく、ただのレンズになるので落ちることをアテンド側が把握できるように工夫が必要です。
〇まとめ
HoloLens 2は2019年末現在、数限られた台数しか日本へ入っていません。
また、現在それらはすべてMixedRealityパートナー企業(MRPP)にあるため、このようにコミュニティで体験させていただく機会を作っていただき、この場を借りて感謝します。
素晴らしいことと感じます。
HoloLens 2はHoloLens 1stとまた違う気付きや反応がありとても良い時間を過ごせました。
2020はHoloLens 1stを継承しつつも全く新しい、素晴らしいHoloLens 2の時代が来るでしょう!