本日は3Dモデリング枠です。
Maya、Blenderではどちらも強力なDCCツール(デジタルコンテンツクリエイトツール)です。
ソフトウェア内でレンダリングなどにより最終出力を行うこともできますが、UnityやUnrealEngine、その他の3Dソフトウェアで扱うための素材を作るためにも使用されます。
この場合は3Dモデルの形式でファイルをエクスポートする必要があります。
今回はMayaとBlenderで3Dモデルの形式でファイルをエクスポートする際のサポートや方法の比較を行います。
〇3Dモデルのファイルフォーマット
いかに主な形式の3Dモデルのファイルフォーマットを紹介します。
一般的にコンピュータ上で使用されるファイルデータ名には拡張子と呼ばれるものが付けられます。 例えば画像を示すファイルとしてexample.png
というファイルがあった場合.png
が拡張子を示し、このフォーマットによってソフトウェア側でデータに対してソフトが期待する結果を使用することができます。
このファイルフォーマットの中の一部は汎用的にマルチなソフトウェアで使用されたり、規格として広く出回っているものがあり、これらは中間ファイルフォーマットと呼ばれ、異なるソフトウェア間で互換性を持ったデータを扱うために使用され、フォーマットによって保持できる情報やデータサイズが大きく異なってきます。
ファイル形式 | 拡張子 | 説明 |
---|---|---|
Wavefront Object | .obj | 一般的なフォーマット、メッシュやマテリアルを保持できます |
Autodesk FBX | .fbx | 汎用的に用いられるフォーマット Autodeskが開発しメッシュだけでなくアニメーションやリグ、ライト、カメラなどを保持できる。 |
Stereolithography | .stl | 3Dプリンターなどで用いられるモデル |
Gltf | .glb | クロノスグループが開発した汎用フォーマット、WebXRやMicrosoft系のプラットフォームでよくサポートされており、リグやアニメーションを保持できる。 |
他にも近年では点群データやボリュメトリックの分野、AIによるデータなど様々なソフトウェアや形式が登場しています。
〇Maya、Blenderで3Dモデルとしてエクスポートする
Maya、Blenderでそれぞれ3Dモデルとしてエクスポートする方法やデフォルトでサポートしているファイルフォーマットについて紹介します。
・Mayaの場合
Mayaの場合はデフォルトで次のようなフォーマットのエクスポートをサポートしています。
ファイル形式 | 拡張子 | 説明 |
---|---|---|
Maya Asci | .ma | Autodesk Mayaで作成された3Dプロジェクトファイル。3Dシーン情報(ジオメトリ、ライティング、アニメーション、レンダリングなど)を定義する |
Maya Binary | .mb | Autodesk Mayaで作成された3Dプロジェクトファイル。3Dシーン情報(ジオメトリ、ライティング、アニメーション、レンダリングなど)を定義する(バイナリファイル) |
MEL | .mel | Autodesk Mayaで作成されたスクリプトファイル |
FBX | .fbx | ジオメトリだけでなく、マテリアル、テクスチャ、アニメーションなども含まれる |
DAE_FBX | .dae | すべての要素がXMLタグとして定義されているのが特徴。ジオメトリ、アニメーション、シェーダー、物理などのビジュアルシーンを包括的にエンコードする |
Alembic | .abc | ボリュメトリックビデオなどに使用される時間軸を持ったメッシュアニメーションをサポートした形式 |
OBJexport | .obj | Wavefront Technologyが公開した3Dファイル形式、3Dデータの面データに加え、テクスチャに関するデータも記録できます |
エクスポートを行うためには上部ワールドメニューよりファイル
→選択項目の書き出し
もしくはすべて書き出し
を選択します。
エクスポートパスを選択しファイル形式を選択します。
今回はfbxでエクスポートします。
特に意図していない場合はファイルタイプ特有のオプション
からカメラ
、ライト
、Audio
のチェックを外します。
この状態で書き出し
を行うことでエクスポートが完了します。
・Blenderの場合
Blenderの場合はデフォルトで次のようなフォーマットのエクスポートをサポートしています。
ファイル形式 | 拡張子 | 説明 |
---|---|---|
Blender | .blend | Blenderのシーンファイル。Blenderで保存されているすべての情報が記録される。 |
Universal Scene Description | .usd | Pixarが開発した3Dシーン記述ファイル形式、3Dデータを効率的に交換するための形式 |
Maya Binary | .mb | Autodesk Mayaで作成された3Dプロジェクトファイル。3Dシーン情報(ジオメトリ、ライティング、アニメーション、レンダリングなど)を定義する |
Stanford PLY | .ply | 主に3Dスキャナから取得したデータを保存するために使用 |
FBX | .fbx | ジオメトリだけでなく、マテリアル、テクスチャ、アニメーションなども含まれる |
STL | .stl | 3Dプリンターで広く使用されるファイル形式で、3Dモデルの表面ジオメトリを保存。 |
Alembic | .abc | ボリュメトリックビデオなどに使用される時間軸を持ったメッシュアニメーションをサポートした形式 |
OBJexport | .obj | Wavefront Technologyが公開した3Dファイル形式、3Dデータの面データに加え、テクスチャに関するデータも記録できます |
制作物をエクスポートするには上部ワールドメニューファイル
からエクスポート
メニューを選択し、任意のフォーマットを選択します。
フォーマットによって若干UIが変わりますが一般的に次画像のようなエクスポート設定ウィンドウが開きます。
このエクスポート設定では共通してエクスポートパス(エクスポートするファイルの場所)を選択しますが他にも、エクスポートする内容などを選択できます。
例えばfbxの場合内容
タブから対象の項目で、選択したオブジェクト
にチェックを入れるとデフォルトの状態ではシーン全体がオブジェクト対象になっていましたが、現在オブジェクトモードで選択されているオブジェクトのみがエクスポート対象になります。
またオブジェクトタイプ
からはエクスポートファイルに含ませる内容物をカテゴリーで区別できます。
別のソフトウェアで使用する場合はカメラ情報やライトの情報がモデルに含まれていることによって不都合が生じることがあり、オブジェクトタイプ
でカメラなどを出力対象外にすることで思わぬトラブルを避けることができます。
その他でスケールの単位系を変更することや、モデルの軸、アニメーションが含まれるファイルフォーマットの場合はアニメーションについてなどの設定が可能です。
以上が両ソフトウェアのエクスポート形式の違いでした。
主にBlenderの場合は最初にフォーマットを指定してエクスポートしていますがMayaの場合はエクスポートウィンドウでフォーマットを指定しています。
本日は以上です。