夜風のMixedReality

xRと出会って変わった人生と出会った技術を書き残すためのGeekなHoloRangerの居場所

Tokyo HoloLens Meetup vol.32 イベントレポート

本日はイベント登壇枠です。

本日2023年1月23日はTokyoHoloLensMeetup Vol.32が開催されました。

イベントレポートになります。

〇HoloLens meetupとは?

今回は新型コロナウィルス感染症の蔓延の関係で2020年1月以降久々のリアル会場でも行われました。

オンラインとリアルを結んで全国に配信されました。

hololens.connpass.com

タイムスケジュールとしてお昼過ぎから始まり、2つのメインセッション=MixedTalk、LightningTalk、懇親会と盛りだくさんな内容でした。

リアル会場では4,50名ほどが数年ぶりのリアル開催を楽しみました。

〇Mixed Takls

メインセッションです。

〇XRで町づくりに挑戦!

株式会社ホロラボの伊藤武仙さん、加茂春奈さん、田野哲也さんの登壇です。

トークのはじめにHoloLens6周年ということで、これまでの振り返りから始まりました。

2017年に登場したHoloLens、

各地のコミュニティの盛り上がりとともに株式会社ホロラボは爆誕されました。

それから5年、HoloLensを使用した街づくりの話が共有されました。

〇Project PLATEAU

国土交通省が主導する日本全国の3D年モデルのオープンデータ化プロジェクトです。

www.mlit.go.jp

政府主導のプロジェクトですが、コミュニティなどの活動利用など非常に盛んで国内で盛り上がっているプロジェクトです。

日本国内の様々な都市が対応しています。

モデルの特徴として、GoogleEarthなどと違い建物一つ一つが独立したデータとして提供されており、ただ環境を再現するのではなく建物一つ一つに意味を持たせていることがあります。

ホロラボさんとして、PLATEAUのイベント登壇をされたことをきっかけに3D年モデルとxRの技術を使って街づくりにおける市民を巻き込んだものとして八王子市の都市再編 市民参加ワークショップとして3Dを絡めた取り組みを始めたそうです。

ツールシステムとワークショップの開催を実際に行われたそうです。

PLATEUのモデルだけでなく自分たちのモデルを自由にブラウザ上に配置してみることができるHoloMapsというものを開発されたそうです。

今回はウェブ上で動くものですので、チームも編集して3名で1年間かけて開発されたそうです。

実際に取り組まれている中で町づくりに関してのノウハウがなかったところ総務として応募された方が都市開発をされていたそうで、一気にプロジェクトが進んだそうです。

ワークショップは全10回ほど行われ、第二回ではHoloLensとスマートフォンで参加者に実際にデータのアップロードを行ってもらったそうです。

最終的にカードなどを使って都市を構想できる形まで進んだそうです。

〇アプリ開発

2つのアプリを開発されたそうです。

パカパカはARまーかーを認識し撮影、アップロードまでで、データとしては以下のものがあるそうです。

・ボリュメトリックビデオ

・3Dモデル

・VRビュー

 VRビューではPLATEAUのモデルを利用して現在ある建物がなくなったらどう見えるのか、どうなるのかということを体験できるようになっているそうです。

実際のアプリ開発ではQRコードの認識のノウハウや、位置情報に関してがありました。

位置情報の調整等は現地のフィールドワークで行ったそうです。

 都市開発ということでPLATEAUというプラットフォームを拡張するARプラットフォームとして非常に面白く興味深い取り組みでした。

現地確認中は曇りの日が多かったこともあり、本番直前が快晴であったために認識精度に問題が発生し、本番では曇ってくれたのでうまくいったという裏話もありました。

AR表示側のカード認識にはiPadはARkit、HoloLens側はVuforiaを使用されたそうです。

こちらも認識の問題があり、本番直前にカードを作り直すということもあったようです。

実地検証で得られた課題としてデータ量やオペレート、金銭的コストなど多くの問題もありました。

反面従来の街づくりの参加者と異なり若手など今までと異なる層が集まったそうです。

〇筆者の感想

 会場ではデモとして取り組みを体験することができましたが、とても革命的な取り組みと感じました。

 都市開発や街づくりを考えるうえで地理や空間的イメージは大切ですが、人それぞれ大きく差があります。

 例えば住宅地の真ん中に大きな建物を建てた場合日照問題や景観、騒音などの住民生活における問題もあります。

 また地図上では平面ですが、実際は窪地などもあり実際の街づくりは2Dではなく3Dの話です。

 HoloLensやiPadでMR表示を行うことで、子供から大人まで空間的に街をとらえることができ、よりイメージしやすくなるのではと思いました。

 

〇HoloLensを使った物理概念化し架橋剤の開発と国内外における授業実戦

二人目は植田さんです。

MixedRealityで世界、、、その中でも物理教育を変えたいというところで取り組みを共有いただきました。

物理教育・・・・というと世間一般的には「好き」という人より「そうではない」という人の方が多いです。

植田さんは高校生時代に将来的に物理の先生になりたいというなかで大学、大学院と物理を学び、最初に中学校の理科の先生になり、高校の理科の先生になられたのちICTを使った教育に取り組むフィールフィジックスという会社で活動されているそうです。

 フィールフィジックスとはFeel Physicsの名前の通り‘物理教育をよくしたいという思いで物理を感じるという名前で付けられているそうです。

 物理が難しいと言われる原因の一つとして物理というものが抽象的で具体的に欠けるということがあげられます。

〇どうしたらMRで物理を変えることができるか?

 この課題に対してMRで物理の授業を変えるというAを紹介されました。

〇磁界

 磁石の周りには磁界という見えない力が展開されていますが、これを見るためには砂鉄などを使用して間接的に可視化する必要があります。

 また、この磁界には力の向きがあり、理解を複雑なものにしています。

 さらに電気を流すことでさらに力が変わります。

 磁石を可視化するの問題として磁界は空間的に展開されているという点で、HoloLensを使用することでこれを再現することができます。

MRの特性として現実の磁石と重ね合わせることでより理解をしやすくなります。

磁界が見えることで磁石と磁石、磁界と磁界

 可視化できることで磁界が一本の磁石の磁界のようになり、これは磁石を二つにきったとしてもそれぞれN,S極を持つ磁石になるという性質がわかります。

〇放物運動

 物を投げたとき次画像のようなものがよく使われます。

しかしこれを深く理解するためには高度な数学が登場し、これも苦手意識を強めています。

 これもHoloLensを使用してアニメーションと合わせて空間に配置できれば現実の物理現象を物理空間でわかりやすく再現することができます。

〇気体粒子

空気など気体粒子は我々の周囲に存在し、その数は膨大なものですが目に見えない現象です。

〇課題

問題としてHoloLens2の値段・運用周りのコストがあります。教育の分野では特に金銭面など課題が多いです。

これに対して体験してもらい価値を知ってもらうという布教大切です。

こうした課題を解消するためにはMixedReality以外の変化も必要です。

・社会のデジタル化

DXとも呼ばれています。

いま「将来何になりたい、そのためにどういう勉強をしたい」というキャリア教育が変わり始めています。

そこで行われたこととして通信制の高校で授業をされたそうです。

ステップとしてVR→MR→MRアプリ開発体験→進路指導という段階で授業をされたそうです。

体験した生徒の完成としても非常にポジティブであったそうです。

興味を持たせるだけでなくそこから実際に彼らが学んでいることの重要性へベクトルを持っていく点が筆者としてとてもすごいと思いました。

・メタバース

もう一つの要素としてメタバースを紹介されました。

VR授業を行うことで試験の正解率も上昇したそうです。

〇LT

筆者の登壇に関しては後日記事にします。

〇グッズ

会場ではHoloLens 2のTシャツが配られました。

今までは黒ベースのTシャツが多かったため白ベースなHoloLensは珍しいTシャツではないでしょうか?

また抽選会では筆者はAnkerの充電プラグをいただきました。

HoloLens 2も対応のロゴ入りアイテムです。

〇二次会

イベント終了後筆者を合わせ10名ほどで自由二次会がありました。(筆者のグループが10名ほどですが、ほかの二次会もあった模様)

先日MRTKチームの事実上の解散などの話題もあり、少なくないショックを皆が受けていましたが、一人ひとり熱を持ったHoloRangerで、また昔のプロジェクトの話などリアルでないと話せないことなどをわいわいとはなし、イベントと合わせとても素晴らしい時間になりました。

〇感想

 前述のとおり先日Microsoft社のレイオフ(業績不振による一時解雇)でMRTKチームの多くの方が対象となり事実上のMRTKチーム解散となりました。

 多くのエンジニアがショックを受けた翌日の開催で、一人ひとりのHoloLens愛などがとても感じられるような内容でした。

 HoloLensにかかわる多くの人々がこのタイミングでリアルで集まり、人によっては数年ぶりにお会いする方もいました。

 リアルであるからこそ、話の中でアイデアやツールの共有、仕事の事例や個人の活動などほかの人々とのつながりを感じることができ、またHoloLens3など今後のHoloLensの活動に関しての話もでました。

 筆者はMicrosoftの社外の人間ですので、あくまでコミュニティのメンバーとして自分には一体何ができるのだろうか?と思っていましたが、自分だからこそ今参加しているMRGTを中心になにか盛り上げることをやっていきたいと思いました。

 リアル開催は3年ぶりですが次回はもっと多くの人が集まれるような楽しい場になるとよいなと思っています。