筆者はHoloLensなどのxRアプリのための3Dモデル作成を主目的としてBlenderを使用していますが、Blenderでは単純なモデリング意外にも映像作成など多くのことができます。
今回は自身のモデリングしたモデルを使用してアニメーションを作成していきます。
〇筆者PCスペック
・Windows 11
・メモリ: 64GB
・Blender 3.0
Blenderではある程度の低スペックであってもモデリングを行うこと自体はできます。
しかしアニメーションなど映像を扱う場合PCのスペックがレンダリング時間に直結しています。
またメモリーが少ない場合最悪Blenderがクラッシュすることもあります。筆者の場合64GBでクラッシュすることは月1度程と減りましたが16GBのPCを使用していた時は作業によって週一くらいの頻度で落ちていました。(作業内容にもよるので一概には比較できません。)
〇Blenderのレンダリング EEVEEとCyclesXに関して
Blenderには主に使用されるレンダリングエンジンとして[EEVEE]と[Cycles]の二つがあります。
まずはこの違いに関して簡単にまとめていきます。
〇EEVEE
Blender 2.8以降で導入された比較的新しいエンジンです。
[Cycles]に比べ高速なレンダリングが行えます。Cyclesに比べGPUスペックを抑えられることも魅力です。
〇Cycles X
[Cycles]はパストレース方式のレンダリングエンジンです。
Blender2.6から導入された比較的古参のエンジンでEEVEEに比べ低速なものの非常に精細なレンダリングを行います。
またBlender3.0時点ではテクスチャベイクはEEVEEでは実行不可能でCyclesのみ可能などEEVEEにできないことができます。
〇アニメーションレンダリング方法
今回は以前紹介した[Pure Sky Pro]を用いて背景を作成し、そこに自信がモデリングしたオリジナルのガンダムを配置して行います。 [PureSky Pro]はこちらをご覧ください。
①アニメーションウィンドウからアニメーションの長さを指定します。
デフォルトで右上にある[終了]の値がアニメーションの最後のキーフレームになります。
ここでは300と指定して300フレーム目が終了にしました。 デフォルトで24fps(1秒間で24フレーム再生)のため10数秒の想定です。
②次にアニメーションのキーフレームを打ち込みます。
今回は3Dモデルのリグ、カメラを指定しています。
以上で準備が完了しました。
アニメーションエディタの再生ボタンを選択することでどのような映像になるかシュミレーションを行うことができます。
〇レンダリング設定
次にレンダリングの設定を行います。
これはカメラのアイコンの[レンダープロパティ]から行えます。
設定すべき主な項目は2つです。
①レンダリングエンジンを指定します。
今回は速度重視で[EEVEE]を設定しています。
②次にレンダリングのサンプル数を指定します。今回は[128]にしています。
[Cycles]の場合サンプル数が少ないことで発生するノイズがより顕著になります。
〇出力先設定
次に出力先を設定します。これは[出力プロパティ]から行えます。
動画出力の場合ファイルフォーマットを[FFmpeg動画]に指定します。
これによって出力先のパスに動画が出力される設定が完了しました。
〇レンダリング
レンダリングは画像同様[Rendering]ウィンドウから行います。
[レンダー]タブから[アニメーションレンダリング]をクリックすることでレンダリングが始まります。
レンダリング中はアニメーションウィンドウの現在のキーフレームで現在レンダリングしているキーフレームを確認することができます。
設定やシーンによってはレンダリング時間が大幅にかかってしまうことがあります。このキーフレームの進み方を確認して場合によってレンダリングをキャンセルしてサンプル数などを変え再びレンダリングを行うことで大幅な時間節約になります。
レンダリングが終了すると[出力プロパティ]で設定しているパスに動画が出力されます。