夜風のMixedReality

xRと出会って変わった人生と出会った技術を書き残すためのGeekなHoloRangerの居場所

HoloLensで実物大ペーネロペーを飛ばす。

本日はファンタジー枠です。 

昨日HoloLensを用いてファンタジー世界を再現するプロジェクトとして「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」に登場するメカ、ペーネロペーの本体、オデュッセウスガンダムを実物大で再現しました。

今回はオデュッセウスガンダムの劇中登場姿であるペーネロペーを実物大で表示、空を飛ばしました。

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〇環境

・Unity2021.1.10f1

・UniversalRenderPipeline

・HoloLens2

〇実物大オデュッセウスガンダム

昨日RX-104オデュッセウスガンダムを30mクラスの実物大で表示しました。

この際にいくつかの問題がわかりました。

①オブジェクトのスケールが大きすぎて見上げることになる。

② ①により屋外で外を見上げることでSLAMのtrackingに問題が発生する。(特徴点の取得が難しい。)

③ ②により座標軸がずれ、オブジェクトの描画に揺らぎが発生してします。

④ ①と②により通常スケールのオブジェクトより揺れ幅(乱れ)が大きいことで見にくい

これらの問題は前述のように屋外という実物大のガンダムを表示するためにはほぼ必須となる環境下でSLAMが正常に行うことができないことで負のループになっていることがわかりました。

そこで今回は実物大のガンダムの方が、動くことでユーザーがガンダムを見るために動き回ることを制限し、屋外でもSLAMの破断をできるだけ起こさないように実装しました。

また、今回のペーネロペーはフライトフォームと呼ばれる形態に変形することで大気圏内を音速飛行するという劇中設定があり、実物大でもこの変形と飛行を再現したいという欲望も合わさって可動モデルにしました。

ペーネロペー

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 RX-104FFペーネロペーは前述のオデュッセウスガンダムにフライトユニットを装備した姿のことを指します。

胴部、肩部、背部、脚部、腰部にそれぞれ大型のパーツが取り付けられることで単機のガンダムとしては最大級の32mの大きさになります。

 また背部には鳥の尾羽にも似た巨大なスタビライザー(水平翼)が付きます。 

 劇中ではテロリストである主人公を迎え撃つ迎撃部隊のエースとして、そして主人公機であるΞガンダムと合わせ劇中世界で唯一ニ機の大気圏内単独音速飛行が可能な期待として登場します。

〇ミノフスキーフライトの音

劇中ではペーネロペーの飛行時に怪鳥を思わせる鳥の鳴き声のような独特の飛行音で移動していました。

 今回は可動モデル×HoloLens 2において発生しゆる視野角によるガンダムの場所がわからなくなる問題を軽減する理由もかねて音を実装することにしました。

 HoloLensでは計6基のスピーカーによる空間音響(SpatialSounds)と呼ばれる機能があります。

 これは音源との距離に応じ発生する各スピーカーの音量の差によって音源がどの方向にあるかを直感的にユーザーに伝えることができます。

 今回は以下の設定で音源を設定しています。

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また、[Spatialize Effects]にチェックを入れていることでドップラー効果を再現しています。

HoloLens 2の場合空間音響を動かすための[Spatilizer]として[Micosoft Spatilizer]が使用できます。今回ProjectSettingsのAudioの設定からこれを選択しています。

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