本日はMRGT調査枠です。
前回に引き続きMixedRealityGraphicsTools StandardShader全機能を解説していきます。
前回はRenderingModeの実装を見ていきました。
今回はCullModeを見ていきます。
〇CullModeとは?
CullModeはカリングを指し、もともと不要なものを取り除くという意味があります。
Shaderではメッシュの裏面、表面のどちらかを描画するかを指定するパラメータになります。
CullModeの意味に合わせると『メッシュの表、裏どちらを不要な描画として描画しないか』になります。
デフォルトではBackが指定されており、この状態ではメッシュの裏面が描画されなくなっています。
この場合メッシュの表面のみが描画され、Unityプリミティブキューブの場合では近づいたときに見えるキューブの内側は描画されていないことがわかります。
反対にfrontでは面の表面がカリングされ、裏面が描画されます。
もう一つOffというモードがあります。
これはカリングを無効(=カリングしない)モードでこの場合メッシュの両面が描画されます。
通常の不透明オブジェクトの場合デフォルトのBackで問題なく表示されますが、例えば次の画像の髪のように板ポリゴンで構成されているメッシュの場合見た目が悪くなることがあります。
オフにすることで両面が描画され、ある程度違和感のない見た目が実現できます。
当然Offにすることで描画負荷は上がってしまいますが、MRTKのシェーダーの場合任意に切り替えることもできるので、裏面が見えないようなオブジェクトをポリゴンで再現する場合とCullModeで対応する場合で比較した場合ほとんどの場合はCullModeで両面描画するほうがパフォーマンスもよくなると思うので、便利な機能です。
〇実装
カリングはShaderLab内で次のように定義します。
Cull Off Cull Front Cull Back
Graphicstools StandardShaderでは次のように実装されています。
// Default pass (only pass outside of the editor). Pass { Name "Main" ・・・ Cull[_CullMode] ・・・ HLSLPROGRAM ・・・ ENDHLSL }
_CullModeはPropetiesブロックで定義されています。
[Enum(UnityEngine.Rendering.CullMode)] _CullMode("Cull Mode", Float) = 2 // "Back"
UnityEngine.Rendering.CullModeはUnityで提供されるEnum型のクラスです。
冒頭で紹介した通りBack、Front、Offが提供されておりそれぞれ値を渡せるよういなっています。
本日は以上です。