●動作環境
〇Unity2019.2.6
〇Microsoft Mixed Reality Toolkit 2.0.0
●AudioLoFiEffectDemoの概要
Low-Fidelity(Lo-Fi)によるオーディオエフェクトのデモシーン
球体をタップすることで音声周波数の設定を変えることができます。
・Low-Fidelity(Lo-Fi)とは?
音質が悪いこと。
悪いというとよくないイメージしか持てないのですが、電話や無線、ラジオの音源というとイメージがつかみやすいと思います。
このデモシーンでは3種類の音質を確かめることができます。それぞれ紹介します。
〇Narrow Bend Telephony
sceneを実行すると最初に流れている音質です。
Narrow Bend Telephonyとは狭帯域電話という意味で、少し昔の電話や業務無線に使われている帯域(300Hz~3.4kHz)を意味します。
〇AM Radio
Narrow Bend Telephonyの赤い球体をAirTapすると、黄色い球体に変化するとともに音質も変わります。
AM Radioの名前が意味する通りAMラジオの帯域(40Hz~5kHz)を意味します。
〇Full Frewuency Range
AM Radioの黄色い球体をさらにAirTapすると、青い球体に変化し音質も変わります。
こちらは一般的な人間の聴覚を含む広い範囲の帯域(10Hz~22kHz)を意味します。
この音質はLo-Fiの効果がオフになっているのと同じです。
〇デモシーンの解説
多くのデモシーンでも共通ですが、[SceneContent]とよばれるオブジェクトの中にそのデモ特有のオブジェクトが配置されています。
このAudioLoFiEffectDemoの場合[SoundEmitter]というオブジェクトが音源となる球体です。
[SoundEmitter]を見てみると
・AudioLoFiEffect
・AudioLoPassFilter
・AudioHighPassFilter
・AudioSource
がアタッチされています。
・LoFiFilterSelection
このサンプルシーンでのマネージャー的な機能を持っています。
Inputに対して球体の色を変えると同時にAudioLoFiEffectで設定されている音質のフィールターを変更します。
・AudioLoFiEggect
AudioHighLowFilterおよびAudioHighPassFilterのCutOff Frequencyの値を変更します。
これによって音質の変化が機能します。
〇SpatialSound(空間音響)
MRTKv2ではSpatialSound(空間音響)とよばれる機能を使うことができます。
これは音源に近づけば音が大きくなり、逆に離れれば小さくなる効果のことで、この機能を使用することで視野角が小さいHMDでも音源がどこから発しているかをユーザーが知覚して、視野角外にあるオブジェクトを探すことや体験に合わせユーザーを誘導することができます。
AudioSourceの[3DSoundSettings]の下部にグラフがあります。
これは縦軸が各パラメーターの割合、横軸が音源とプレイヤーとの距離になります。
ここで[Max Distance]の値を20にしてみます。
すると、横軸の値が20になりVolumeのグラフが緩やかになったと思います。
SpatialSoundは[Min Distance]から[Max Distance]の間で働きます。
具体的には
音源から[Min Distance]までの距離では音の減衰は起こらないが、[Min Distance]から[Max Distance]の間でグラフのように音が減衰し、[Max Distance]で最小となります。