夜風のMixedReality

xRと出会って変わった人生と出会った技術を書き残すためのGeekなHoloRangerの居場所

GraphicsTools StandardShaderのSuperSample Anti Aliasingを触る。

本日はMRGT枠です。

MixedRealityGraphicsTools(MRGT) で提供されているGraphicsTools/StandardShader(以下MRGTStandard)はxRに特化した数多くの機能が提供されています。

 多くの機能は触りながらであったり、ドキュメントを見ることで使い方がわかることが多いのですが、数少ないよくわからない機能であった一つのSuper Sample Anti Aliasingの機能を理解していきます。

〇MRGTとは?

MixedRealityGraphicsTools(MRGT)はHoloLensやMetaQuestをはじめとしてxRアプリケーション開発に役立つツールキットであるMixedRealityToolkitの最新版MRTK3で提供されるパッケージの一つで、グラフィックの機能がまとめて提供されています。

github.com

〇Super Sample Anti Aliasingとは?

Super Sample Anti AliasingGraphicsTools/Standardシェーダーで提供されている機能です。

MRGTのドキュメントによると

スーパーサンプル アンチエイリアシングは、遠くからでも細部が重視されるアイコンまたは画像を表示するすべての素材で使用する必要があります。

とのことで、遠くに配置するオブジェクト等のテクスチャに対して何らかの効果があるようです。

〇SuperSample Anti Aliasingの効果

今回次のようなテクスチャで実験しました。

通常Unityでは遠くのオブジェクトのテクスチャを描画する際にMipmapと呼ばれるあらかじめ作成しておいた小さいスケールのテクスチャを割り当てます。

具体的な処理は以下の動画がわかりやすいです。

www.youtube.com

この仕組みからある程度距離が離れて描画範囲が小さくなった場合画像の解像度が自動的に小さくなります。

 この木目調のテクスチャに関しても同様に距離を話すとタイルがわからなくなるほどぼやけてしまいました。

 

 これは負荷の最適化の結果ですが、場合によってはこのような表現がネックになることがあります。

 例えばVRで街を作って遠くまで描画する場合など、街並みがぼやけてしまいます。

 Super Sample Anti Aliasingはこの問題を避けることができます。

Super Sample Anti Aliasingを有効にするとこのMipMapのエイリアシング(ジャギ)の処理を調整できます。 つまりはっきり見えるようになります。

Mipmap Biasの値を最低にすることでタイルがある程度はっきり模様として現れるようになりました。

 

 以上がSuper Sample Anti Aliasingになります。

 HoloLensアプリでは遠くにオブジェクトを配置するシチュエーションが少ないため使用する機会は少なそうですが、VRアプリでは非常に強力な機能と感じました。

 本日は以上です。