夜風のMixedReality

xRと出会って変わった人生と出会った技術を書き残すためのGeekなHoloRangerの居場所

HoloLensで使える3Dモデルを作る ~ライトセーバーを作る~ その⑨ ライトセーバー内部製作

 HoloLensでは現実空間に3Dオブジェクトを配置、作用させることによってMixedReality(複合現実)を実現しています。

 この3DオブジェクトはHoloLensやxRの分野だけではなく、映画、ゲーム、製造、建築など多くの業界で幅広く用いられるようになりました。

 3Dオブジェクトを作成するツールも増え、少し良い性能のPCさえあれば3Dモデルを作ることは誰でも簡単にできるようになりました。

 前回からライトセーバーのコアとなるカイバークリスタルが完成しました。 今回は9回目の記事です。

 前回の記事はこちら

redhologerbera.hatenablog.com

ライトセーバーの構造

 ライトセーバージェダイ(orシス)の神聖な武器であるようで、詳細な設計書は見つかりませんでした。

 一説によると、はるかかなたの銀河のジェダイマスター ルーク・スカイウォーカーでさえも彼の師であるオビ・ワン・ケノービーの残した本とほかのジェダイの残したライトセーバーを分解し、初めて自身のセーバーを作れたようです。

 ライトセーバーの基本構造は我々の銀河でも解析している人がいます。 これを参考に今回はライトセーバー内部を製作します。

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〇メッシュを滑らかにする

 前回までに完成したカイバークリスタルを軸としておそらく電源ユニットであろう内部のパーツを、リング状メッシュを[E]キーと[G]キー、そしてスケールを変える[S]キーで大雑把に作ったものが次になります。

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 このままではきれいな曲面ではなく、面がわかってしまうほどにかくかくしています。 これを曲面にするために一番手軽な方法はシェーディングを変更することです。

 曲面にしたい面を[Shift]キー+[C]キーで複数選択します。ここでは側面を選択しました。

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 この状態で上部タブの『メッシュ』から『シェーディング』『面をスムーズに』を選択します。

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   オブジェクトモードに切り替えることによって書くついていた面がきれいな曲面へと変化したことを確認できます。

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〇マテリアルの分割

 カイバークリスタルは結晶という天然の素材であったためマテリアルは一つで再現しましたが、セイバーのグリップ部は複数の素材で構成されます。

 オブジェクト自体を分けることでそれぞれのMaterialに対応できますが、それでは複雑なモデルに対応できずまた、製作の過程でも手間がかかり非効率的です。

 Power Assenbryの芯のパーツは画像で見ると金属とプラスティックのような黒いパーツの二種類で構成されています。

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 ここでは一つのオブジェクトに対して複数のMaterialを対応させます。

 まず、別のMaterialを対応させたい面を選択します。

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 マテリアルタブ(①)から[+]アイコンを選択します。(②)

 すると新しいMaterialが作成できるので『割り当て』(③)をクリックします。

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 これで一つのオブジェクトに複数のMaterialを適応することができました。

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〇シリンダーの作成

次におそらく刃の収束リングである刃元のコイル状のシリンダーを作成します。

 円柱を用意します。

・ループカット

 Blenderには面を等分割する機能[ループカット]があります。

 カットしたい面を選択した状態で[Ctrl]+[R]キーを押します。

 黄色いライン画面に沿って出るので、マウスのホイールで分割数を調整してクリックすることで面を当分割することができます。

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ループカット

 分割した円柱が次になります。

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 この状態で[E]キー+[S]キーで面を伸ばし収縮させることでシリンダーが完成します。

 同様に刃元も作成しました。

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 以上でライトセーバーの内部のモデリングが完成しました。

 通常内部は見えることがないので空っぽであることが多いですが、HoloLensの場合ニアクリップによって近づいたオブジェクトをクリップすることで内部が見えることがあります。

 手元で扱うオブジェクトの場合、こういったちらりと内部が見える時の中身があるのとないのとでは体験に天地の差が生まれることがあります。

 次回は実際の見た目となるグリップ本体を作成します。