本日はHoloLensのOS更新リリースノートを覗きます。
前回に引き続きビルド19041.1128での変更点を以下のリリースノートを参考に見ていきます。
●OOBEでの自動化
・OOBEとは?
OOBEとはアウトオブボックスエクスペリエンス(Out of Box experience)を指し、ユーザーが新品のHoloLens 2の箱を開けてから起動できるようにするまでの間の体験を指します。
HoloLensを含むWindowsPCの場合、箱を開けてデバイスを取り出し電源ボタンを入れることでセットアップが始まります。
ここでMicrosoftアカウントや使用言語、ネットワークなどの設定を行います。
その後OSの更新確認が走り5~20分ほどで使用可能な状態になります。
OOBEはこの間の体験を指します。
OOBEがすぐれている製品として有名なものにAppleの製品があり、セットアップ中でもインフォグラフィックスにより設定や更新などでユーザーを待たせている間の体験を保管してテンションを維持しています。
今回の更新によりOOBEでのプロビジョニングパッケージを自動化する機能が更新されました。
このプロビジョニングパッケージとは、企業などで新規でHoloLens 2を購入してサービスを使用したいという場合適切なサービスの提供を行うことを指します。ユーザーのアカウント作成や権限の付与、ソフトウェア設定などの割り当てをお行います。
今回このプロビジョニングに関して以下の方法が使用できるようになりました。
・USB からの自動起動プロビジョニング
プロビジョニングパッケージを搭載したUSBドライブをOOBE中に使用する場合、ユーザーの操作が少なくて済むようにプロセスを自動化されました。
これまでは、OOBE中に手動でプロビジョニング画面を起動する必要がありました。 今回の更新では、USBストレージドライブ上のProvisioning Packageを使用することで、ボタンの組み合わせを省略できるようになりました。
使用方法はOOBE の最初の入力画面のタイミングでプロビジョニングパッケージを搭載したUSB ドライブを接続するとデバイスがプロビジョニングできる状態になると、自動的にプロビジョニングページが表示されます。
この更新で複数のHoloLens 2を組織アカウントで設定してサービスを利用する際の初期設定などを一部自動化できるようになりました。
●HoloLens ポリシー
デバイスを管理するために作成されたHoloLens専用のデバイス管理オプションに変更があるようです。
今回の更新により新しいMixedRealitypolicyが作成されました。これは明るさの設定、音量の設定、混合現実キャプチャーでのオーディオ録音の無効化、診断が収集できるタイミングの設定、AADグループメンバーシップキャッシュなどの管理が可能になりました。
追加されたポリシーが以下のようになります。
・MixedReality\BrightnessButtonDisabled
明るさのボタンを無効にしても、明るさが変わらないようにすることができます。
・MixedReality\VolumeButtonDisabled
ボリュームボタンを無効にして音量を変更しないようにすることができます。
・MixedReality\MicrophoneDisabled
HoloLens 2 でオーディオ録音ができないように、マイクを無効にします。
・MixedReality\FallbackDiagnostics
フィードバックログを収集できる場合の動作を制御します。
・MixedReality\HeadTrackingMode
現在使用することはできませんが今後のリリース用に枠だけ追加されました。
・MixedReality\AADGroupMembershipCacheValidityInDays
キオスクモードのターゲット AAD(AzureActiveDirectry)グループに使用する日数を制御します。
この機能を使用することで最大60日間キオスクモードを割り当てることができます。
●HoloLens 2 向けの新しいデバイス制限ポリシー
HoloLensポリシーとは別にHoloLens 2 デバイスの管理オプションを強化するための、ポリシーが更新されました。
追加された点は次のようになります。
・AllowAddProvisioningPackage
ランタイム構成エージェントがプロビジョニング パッケージのインストールを許可するかどうかを指定します。
・AllowRemoveProvisioningPackage
ランタイム構成エージェントがプロビジョニング パッケージを削除できるかどうかを指定します。 サポートされている値は次のとおりです。
・ConfigureTimeZone
デバイスに適用するタイム ゾーンを指定します。
・RemoteLock
デバイスのPinロックが設定されている場合にデバイスをlockする機能です。
●電源ポリシーの変更
・電源ポリシーとは?
以下のMicrosoftハードウェア開発者のドキュメントによると電源ポリシーは電源起動時における設定のようです。
今回の更新により電源起動時やスリープ解除時のオプションを設定できるようになったようです。
・DisplayOffTimeoutOnBattery
OSがディスプレイをオフにする前に行われるまでの期間を指定できます。
・DisplayOffTimeoutPluggedIn
OSがディスプレイをオフにする前に行われるまでの期間を指定できます。
・EnergySaverBatteryThresholdOnBattery
省電力機能をオンにするときのバッテリ充電レベルを指定できます。
・EnergySaverBatteryThresholdPluggedIn
省電力機能をオンにするときのバッテリ充電レベルを指定できます。
・StandbyTimeoutOnBattery
OSがシステムをスリープ状態に移行するまでのの非アクティブな状態の時間を指定できます。
・StandbyTimeoutPluggedIn
OSがシステムをスリープ状態に移行するまでのの非アクティブな状態の時間を指定できます。
〇ここまでのまとめ
今回はデバイスのロック、組織アカウントでの初期起動時の自動化などの機能を見ていきました。
HoloLens 2はビジネスでの展開を念頭に置いてリリースされているので、今回の更新ではこの辺りの利便性に関する機能が更新されているように感じます。