日本時間で2021年3月3日未明Microsoftから[Microsoft Mesh]がリリースされました。
本日はこの新しいサービスが何かを見ていきます。
〇Microsoft Mesh とは?技術的な概要
Microsoft Meshは、HoloLensやその他Mixed RealityデバイスによるマルチデバイスのMixedReality空間の体験共有を行うアプリケーションです。
Microsoft Azure上に構築されており、開発者は没入型(イマーシブデバイス)、マルチユーザー、クロスプラットフォームのMixedRealityアプリを構築することができるようになりました。
Microsoft Meshを使用すると、ユーザーは物理的な場所、距離に関係なく、あたかもその場にいるかのように空間を超えて他者と共有し、様々な体験共有を行うことができます。
Meshを活用して、バーチャルミーティングの強化、バーチャルセッションの実施、リモート支援、バーチャルでの複数人の共同学習、バーチャルな集会やミートアップなどを行うことができます。
〇なぜMicrosoftMeshが生まれたのか?
ここでは公式のドキュメントを訳しながら引用します。
「プラットフォームの構成要素を理解していきます。
Mixed RealityはPC、スマートフォンに続く新たなコンピューティングの波です。
MixedRealityは、従来の2次元の画面に縛られていた体験を、あなたの空間で、あなたの物の中で、あなたの人との本能的な相互作用へと解放します。世界中の何億人ものNiantic探索者がポケットの中のデバイスを通してMRを体験しています。
また、新型コロナウィルス感染症の問題により対面での社会的なつながりが少なくなっている中、Zoom、Teamsをはじめとするバーチャルな世界での会議やイベントは拡大しています。
そうした中MixedReality自体に注目が集まっていますが、開発者がこのような没入型の体験を作ることを妨げている根本的な問題がいくつかあります。
・MRの中の人々を適切なリアリズムで表現する
・デバイスの種類を超えて、共有されたMR空間でホログラムを安定させること
・各ユーザーが持っている様々なファイル形式をサポートするために、高忠実度の3DモデルをMRに持ち込むことは困難です。
・MRセッションでの人々の細かな行動や表現を同期させること
これらの課題により、開発者はマルチユーザーでのMR体験を実現することができませんでした。
Microsoft Meshは一連の課題の解消を目的としたツールです。
Meshは、開発者が技術的な問題を抱えることが無く、没入型のマルチユーザーMRアプリをデザインできるプラットフォームを提供します。」
とのことでHoloLens 1st時代からMixedRealityの世界を見ている筆者としてもHoloLensのシェアリングを使用したマルチユーザーの体験のハードルの高さは感じており、まずデバイスの高価さと扱えるユーザーの少なさという壁がありましたが[Microsoft Mesh]のプラットフォームの登場によってマルチデバイス、マルチユーザー、マルチプラットフォームな体験の幅が大きく広がりました。
〇HoloLensのMeshアプリ
HoloLens 2ではstoreで[Microsoft Mesh]を入手することができます。
MeshはHoloLens以外のプラットフォームにも対応しますが、MeshというアプリケーションはHoloLensのみとなっているようです。
〇その他のデバイス
HoloLens以外のデバイスでは[Altworkplace Evr]というアプリケーションを使用するようです。
ここでいうその他のデバイスは以下が含まれます。
・HTC
・Oculus (Rift、RiftS、Quest、Quest2)
・Windows MixedRealityプラットフォーム
・DesktopPC
これは[AltspaceVR]のプラットフォームが使用されるようです。
〇拡張性
Meshプラットフォームは今後SDKのようなものが提供され、マルチユーザー、マルチプラットフォームのMR体験を行えるアプリをプラットフォーム上に構築できるようになるようです。 これは会議や教育、トレーニングなど多くの現場の課題を解決することになるでしょう。
HoloLens 2でのMeshアプリの体験は明日まとめます。