Microsoft HoloLensはMixed Realityと呼ばれる技術を用いるパーソナルコンピュータです。 2019年の2月に発表され、ついに先日HoloLens 2のリリースが開始されました。
ここで一度原点に戻ってHoloLensを振り返ります。
〇Microsoft HoloLensとは?
2016年に開発者版がリリースされたMicrosoft社のコンピュータです。
特徴は頭に装着するタイプ(HMD=ヘッドマウントディスプレイ)のコンピュータで、Mixed Realityと呼ばれる技術を利用して今までのPCとは異なるSF世界のような体験をすることができます。
〇MixedRealityとは?
MixedRealityとは、コンピュータのデジタル情報と現実の物理情報が相互に作用する世界を実現する技術です。
HoloLensでは常に赤外線を放ちその跳ね返りによって現実空間の壁や天井などの物理情報を認識して自分自身の位置を認識するだけでなく、3Dモデルなどの3Dデジタル情報を現実の物理情報に対して作用することができます。
例を挙げるとすると、HoleLenz というアプリケーションでは現実の壁に対してデジタル情報で穴をあけ、空が見えるような体験をすることができます。
また、この常に現実の空間をスキャンすることをSpatialMapping(空間マッピング)と呼ばれています。
このSpatialMappingによって認識した現実空間の情報にMeshを張り、HoloLensの中で現実空間の情報を基にした仮想の空間によって、空間内に配置した3D情報がまるで現実のもののように感じることができます。
SpatialMappingに関しては以下のページで詳細に解説がされています(開発者向けになります。)
〇AR,VRとMRの違いは? xRとは?
MRに非常に似た言葉としてARやVRという言葉があります。
HoloLensを語るうえでMRとほかの言葉はよくよく混同されがちで、HoloLens開発者同士でも議論になります。ここでの言葉の定義はあくまで一例になります。
・AR(Augmented Reality:拡張現実感)
Pokemon GOを代表に近年多くのスマートフォンアプリケーションで見かけます。
ARの定義は『現実情報に対してデジタルの情報をオーバーレイさせる技術』となります。
・VR (Virtual Reality:仮想現実感)
アトラクション施設や家庭用としてPlayStationVR、Nintendo Labo で多く見かけるようになりました。
『仮想環境を現実環境のように体験する技術』です。
近年では認知症体験やトレーニングなどで商業として利用される事例も多くなっています。
・MR(MixedReality:複合現実感)
HoloLensで使用されている技術で、前述のとおり現実とデジタル情報をミックスさせる技術です。
・xR(X RealityもしくはCross Reality)
AR,MR,VR…多くの似た言葉がありますが、それらに共通して言えることは『デジタル情報と現実情報が融合している』ということです。
また、AR,MR,VRの違いは現実情報と仮想のデジタル情報の割合の違いです。
近年技術の発展によってVR寄りのMR(Windows MixedReality)、AR寄りのMR(HoloLensやnreal light)等それぞれの差は小さくなることが増えています。
ここでこの『デジタル情報と現実情報が融合している』技術群に関してまとめてxRと呼ばれます。
〇HoloLensで何ができるのか?
HoloLensはWindows10を搭載したパーソナルコンピュータです。
Windowsパソコンの一種なので非常に多くのことができます。
HoloLensで動かせるアプリケーションは主に二つのタイプがあります。
〇2Dアプリ
Windowsパソコンでも動くアプリケーションで、代表としてMicrosft EdgeやOffice、Photoがあります。
Windowsパソコンでも使用するMicrosoft StoreでHoloLensに対応しているか見ることができます。
例えばWindows マップのアプリはHoloLensでも使用することができます。
〇3Dアプリ
こんな感じのアプリですごく楽しい! 感動した! #HoloLens pic.twitter.com/2DSHfme9j1
— HoloMoto@GeekHoloRanger 홀로모토 来年4月HoloLensの何か (@HoloMotoRanger) 2019年11月4日
2Dアプリとは異なり多くのアプリがHoloLens専用になります(一部PC版であるWindows MixedRealityイマーシブデバイスで動作します。)
2Dアプリ同様MicrosoftStoreで入手します。 HoloLensで動作するアプリケーションはUWP(Universal Windows Platform)と呼ばれる形式のアプリケーションしか動作しないので、自分自身で開発したアプリケーション以外はMicrosoftStoreで入手することになります。
今回改めてHoloLensとは何か?に関してまとめています。
次回はHoloLensでできることや事例をもっとまとめていきます。