本日はなつやすみ自由研究企画です。
今回は第3回、今まではまずそもそもMRとは何か?そしてMRデバイスであるHoloLensはどのようなものなのかを見ていきました。
今回はよりMixedRealityの世界に入っていきます。
〇MRを構成するデジタル情報
ここまではMixedReality(MR)はデジタル情報と現実の情報を
ではMixedRealityを構成するデジタル情報とはどのようなものなのでしょうか?
MRはパソコンやスマートフォンのような平面ではなく、家具などの現実のもの同様常に現実の空間に置かれます。
平面は2D(二次元)と呼ばれますが、空間は3D(三次元)と呼ばれます。
このようなデジタル情報は一般的に3DCG(コンピュータグラフィックス)もしくは3Dモデルと呼ばれています。
つまりMRは3DCGで構成されています。(※)
※厳密には3DCG以外にも多くのデジタルな情報要素で構成されていますが、MRを体験する上で見た目上は3DCGによって構成されています。
〇3DCG(コンピュータグラフィック)
3DCGは1990年代以降に急激に利用されることが多くなった技術です。
最初は一部のテレビ番組やゲームで採用されていた技術ですが、技術の発達とスマートフォン等の普及によって今では3DCGを使用しているデジタルコンテンツは当たり前に見かけるようになってきました。
3DCGはx軸、y軸、z軸で構成される複数の頂点と頂点どうしを繋いだ辺が作る面によって作られています。
この面を作るためには最低で3つの頂点が必要で、一般的に3つの頂点で構成される面をポリゴン(正確には三角ポリゴン)と呼びます。
〇ポリゴン
ポリゴンは日本ではポケモンに登場するポリゴンが有名です。(3DCGやIT関連の人以外はポリゴンといわれて真っ先に想像するものはこちらでしょう)
ポリゴンは前述のとおり3DCG(3Dモデル)を構成する単位であり、3DCGのクオリティやデータ量を示す指標としても使用されています。
1ポリゴンで一つの面のため、ポリゴン数が少なければ少ないほど一般的にカクカクした見た目になります。
ポケモンのポリゴンはポリゴン、ポリゴン2と種類がありますが、 見た目で例えるとポリゴン2の方がポリゴンよりもポリゴン数が多いという表現になります。
一般的にポリゴン数が多ければ多いほど表示や作成するための処理をするためには高性能なパソコンが必要になってきます。
〇3DCGを作る方法
3DCGを作るためには専用のソフトウェアを使用します。
3DCGを作ることをモデリングと呼び、モデリングを行うソフトをモデリングソフトとも言います。
有名なものとして次のようなソフトがあります。
〇Maya
Maya | 膨大な実績を誇るハイエンドな3DCG アニメーション ソフトウェア | AREA JAPAN | Autodesk
Mayaは古くからあるモデリングソフトウェアです。
有料ですが、映像業界からアニメ、ゲーム、と多くの現場で利用されているプロのソフトウェアです。
筆者はそこまで詳しくないですが、昔から企業で使用されているためネットで調べて得られる情報がほかのソフトウェアより豊富です。
〇Blender
Blenderは無料で使用できるソフトウェアです。
無料とはいえプロも使用するモデリングソフトで、有名な例ではシン・エヴァンゲリオン劇場版でも使用されています。
MR2022年なつやすみ自由研究企画ではこのBlenderを使用した3DCGの作成を紹介します。
以前はモデリングソフトは非常に高額なソフトウェアでしたが、現在は無料で使えるものからスマートフォンで使えるものなどそのハードルは低くなっています。
しかし、パソコンなどのスペック(性能)によってはフリーズやクラッシュ(ソフトウェアもしくはパソコン自体が処理の負荷に耐え切れず再起動してしまう)が発生することがあります。
とりわけ快適な3DCGを作るためにはメモリとCPU、GPUというパーツの性能が必要となってきます。
〇CPU
CPUはCentral Processing Unitの略で日本語では中央処理装置という意味になります。
パソコンやスマートフォンには必ず搭載されており、そのパソコンの頭脳(頭の良さ)に相当します。
主にintel社(インテル)やAMD社などのメーカーが有名です。
〇メモリ
メモリはパソコンの計算で使用する情報を一時的に保存する場所です。
例えるなら算数・数学の試験で途中の計算を行うための余白のようなもので、メモリが大きいほど余白が大きい、つまりCPUが計算するための作業スペースが大きいことになります。
たとえ高性能なCPUを搭載していてもメモリが小さい場合、性能を発揮できない場合があります。
一般的に2GB、4GB、8GB、16GB、32GB、64GB、128GB、256GB、などのメモリがありますが、3DCGを作ったり見たりするためには8GB以上は最低限必要とされています。
筆者は64GBのメモリを使用しています。
〇GPU
GPUはGraphicsProcessing Unitの略で日本語ではグラフィック処理装置という意味になります。
グラフィックとは、コンピュータによって作られる見た目を指す言葉です(ほかにも意味はあります)。
パソコンやスマートフォンでは今このブログ記事を見ているように画面に様々な情報を映し出すことができます。
GPUは情報を計算して、映し出すという機能に特化しています。
もう少し具体的に紹介すると、GPUはCPUほど複雑な計算を一瞬で行うことはできませんが、CPUに比べて桁違いの腕を持っています。
これはコアと呼ばれるものですが、コア一つで一つの計算ができます。
CPUは4~数十コアが最大ですが、GPUではこのコアと呼ばれるものが1万ほど搭載されています。
つまり、CPUほど複雑な計算はできなくても、CPUに比べて簡単な計算を一度に1万回できるのがGPUです。
このことからCPUは一人の天才、GPUは1000人の凡人と表現されることああります
3DCGはこのGPUの性能がとても大きなキーとなってきます。
〇自分のパソコンのCPU、GPU、メモリを調べてみよう!
本なつやすみ自由研究企画はMRに関することをIT関係ではない人々に紹介することが目的です。
自由研究ということでぜひ一緒にやってみてください。
自分の使っているパソコン(ここではWindowsパソコンで紹介します。)のCPU、GPU、メモリに関して調べてみましょう。
①パソコンのキーボードから[Ctrlキー]+[Altキー]+[Deleteキー]を同時に押します。
②タスクマネージャーを開きます
③[詳細]を開きます。
④[パフォーマンス]タブをクリックします。
⑤左側のタブからCPUを選択することでパソコンのCPUを調べることができます。
筆者のパソコンはintel Core i7 6600Uであることがわかります。
intel社のCPUの場合Core i○ ××△という名前が一般的です。
Core i〇はCPUのコア数、××は世代と番号、最後の△はタイプを意味します。
筆者の場合 Core i7の第6世代の600番、Uタイプとなります。
現在intel社のCPUは12世代が最新のため型落ちとはなります。(筆者のメインPCはCore i9 11400kなのでこちらはバリバリ強いマシーンです。)
Uタイプは超低消費電力CPUという型で、ノートパソコンに多く使用されているCPUです。
メモリはタスクマネージャのサイドタブから選択します。筆者の場合8GBのメモリであることがわかります。
GPUも同様にサイドタブから確認できます。GPUは搭載している場合のみ表示されます。
筆者のメインパソコンの場合NVIDIA GeForce RTX3080という型番であることがわかります。
NVIDIA GeForceは有名なGPUメーカーのブランドを示します。 その後のRTXはレイトレーシングという特別な回路を搭載していることを指し、最後の数値の30が世代、80が型番を指します。
以上で自分のパソコンのスペックを確認できました。 パソコンでこれから作業する上で自分が使っているパソコンのスペック(性能)を知っておくことは非常に重要です。
パーツの比較などはとても複雑で難しいですが、どのくらいの性能のパーツなのかというものは簡単に確認できるので是非確認してみましょう。