本日はHoloLensのキオスクモードを紹介します。
〇キオスクモードとは?
キオスクモードとはWindowsデバイスで使用できる店頭やデモンストレーションの場などでお客さんが使用することを前提に機能を制限した端末のモードを指します。
一般的な例では図書館の検索システムなどがあります。
図書館においてある検索用のPCは一般的にWindowsOSが搭載されていますが、お客さんは検索アプリ以外のWindowsの機能を使用することはできません。
このようにPCから指定したアプリのみが動くようになるモードがキオスクモードです。
〇HoloLens 2の場合
HoloLens2の場合はジェスチャによってシステムを操作します。
また装着者の見ている映像はキャスティング(ミラーリング)を行っていない場合は外部から把握することは困難です。
こうした都合上キオスクモードを設定していない場合お客さんが意図せずホーム画面を開いてしまうことやアプリケーションを落としてしまうということがあります。
☆余談 勝手にブルームするなよ
『勝手にブルームするなよ』とは私の師であるがち本さんの体験により生まれた言葉です。
HoloLens 1st時代はホーム画面への移行ジェスチャはブルームという動作によって行われていました。
がち本さんはデモ中に(HoloLensを知っている)お客さんによって意図的にブルーム動作をされるということがあったようで、その際に生まれた言葉が『勝手にブルームするなよ』になります。
HoloLens 1st時代はHoloLens装着者の隣で別の人がブルームジェスチャをした場合も反応することがあり、この場合も『勝手にブルームするなよ』というミームを使用していました。
〇デバイスポータルへの接続
キオスクモードへ設定するためにはWindowsPCからHoloLensのデバイスポータルへ接続する必要があります。
USBによる有線接続とWindowsPCとHoloLens2が同じネットワークに接続している場合に使用できる無線接続があります。
今回は無線接続を紹介します。
①HoloLens2の設定アプリでネットワークと更新から開発者モードを有効にしてデバイスポータルの機能を有効にします。(初回のみ)
②HoloLens側のIPアドレスを調べます。
IPアドレスを知る方法はいくつかありますが一番早いのは音声コマンドによるものです。
英語のシステムを使用している場合は「What's is a my IP address」。日本語のシステムを使用している場合は「私のIPアドレスを教えて」と発音して認識させることでポップアップで知ることができます。
そのほかに設定アプリのネットワークからも確認できます。
これは接続しているネットワークのPropertiesを押し詳細から見れます。
③WindowsPC側でEdgeやChromeなどのブラウザでIPアドレスを入力します。
ブラウザによる警告が表示されることがありますが、[詳細設定]からページへ進むことができます。
また初回時にパスワードの設定などを行う必要がありますが、指示に従うことでデバイスポータルへ接続することができます。
デバイスポータルのパスワードは3回間違えることで再設定をすることができるため正直パスワードとしてあってないようなものとなっています。
参考
〇キオスクモードの設定
ここから本題のキオスクモードを設定していきます。
①デバイスポータルのサイドタブSystemからキオスクモードを設定できます。
②Enable Kiosk Modeにチェックを入れStartup appでキオスクモードとして使用したいアプリケーションを指定することで次回起動時からキオスクモードが有効化されます。
キオスクモードではHoloLens起動後にパスワード(デバイスのログイン)の画面の後通常であればホーム画面が開きますが、いきなり指定したアプリケーションが起動します。
また通常であれば表示されるはずの手首のWindowsボタンが非表示になり、手首をタップしてもホーム画面が起動することやアプリケーションが落ちることがなくなります。
以上がキオスクモードの設定になります。
キオスクモードを解除する際は設定時同様にデバイスポータルからEnable KioskModeのチェックを外し保存します。
なお注意点として一度キオスクモードが有効化されると無効化されるまでは音声コマンドや設定アプリによるIPアドレスの把握ができなくなります。
このためIPアドレスは控えておく方がよさそうです。