本日はトラブルシューティング枠です。
先日より筆者のHoloLens 2ではストレージに異常があり、いろいろ検討した結果リカバリーをかけたところデバイスが正常に起動しなくなりました。
本日はトラブルシューティングを行います。
〇ストレージの問題
HoloLens 2では64GBのストレージが搭載されています。
USBメモリーなどで拡張を行うことはできますがHoloLensデバイス唯一のハードポイントを占有することになり充電等もできないため基本的にどのデバイスでも64GBの容量になります。
iOS,Android,Windows、どのデバイスでも一律に言えることですが、デバイスのストレージの一部をOSなどのシステム領域が占有しています。
HoloLens 2ではこのストレージ使用の割合を[設定]アプリから表示、確認することができます。
筆者のデバイスではOS及び関連システムにあたる[]が32GBの容量を占領してしまっており、基本的なアプリケーションをインストールしているだけで55GBほどの容量を使い切ってしまっており、動作などにも影響が出ていました。
Windowsの場合更新後のトラブルで以前のバージョンにOSを戻すことができるようにある程度の期間過去のバージョンのOSをストレージ内に保持していることがあります。
しかしそれを考慮しても異常でした。
HoloLens開発者のSlackでほかの開発者に聞いてみたところ17GBが正常のようです。
今回は手動でリカバリーができないため[HoloLensを工場出荷時に戻す]初期化を行いました。
〇初期化後のトラブル
初期化後にデバイスのセットアップから始まりますが、セットアップ完了後にMixedRealityHomeの画面に移行しないトラブルが発生しました。
電源ボタンを長押しすることでデバイスを強制終了し、再起動を行ってもログイン画面までは正常に動きますが、ログイン完了後にMixedRealityHomeに移行せず、カーソルが点滅するほか何も表示されない現象が発生しました。
この場合手首のジェスチャ―は反応せず、AirTapとHandTrackingは機能しているようでしたが、カーソルが現れるのみでHandMeshやレイは表示されませんでした。
〇HoloLensを回復モードにする
HoloLensを回復モードにするためにはデバイスの電源が切れている状態で、音量を上げる[+]ボタンを押しながら電源ボタンを押し起動します。
この際に音量ボタンは15秒ほど押し続けます。
バッテリー残量を示すインジケータが中央の一つのみ点灯します。これが回復モード状態を示します。
〇Advanced Recovery Companion
[Advanced Recovery Companion(ARC)]はMicrosoftStoreで入手することができるHoloLens 2専用のリカバリーツールです。
OSに問題がある場合などに使用できます。
①WindowsPCにARCをインストールして回復モードのHoloLensをUSB接続しARCを起動します。
接続しているHoloLens 2デバイスが表示されます。
②選択するとデバイス情報とインストールできるOSのバージョンが表示されます。[ソフトウェアのインストール]を選択します。
③インストールが始まります。筆者環境で2時間ほどかかりました。
インストール際にエラーを起こしました。
〇手動インストール
①MSのドキュメントから最新版のOSイメージをダウンロードします。
②[ARC]を起動し[手動インストール]を選択します。
③回答したOSのFFUファイルを選択します。
インストールが始まります。
しかしこの場合でも上述のエラーが発生しました。
結局何度もUSBの接続、HoloLensデバイスの起動と回復モードへの移行を繰り返しながら試すことでインストールすることができました。
Slackで調べてみると何名か何度もトライすることでインストールできたという筆者と同じ状況が挙げられていたためHoloLensデバイスもしくはARCが安定していない可能性があります。
うまくインストールが開始されると5分ほどで更新が完了します。
ARCの作業が終わるとHoloLensデバイス上で更新作業が行われます。
更新が終わるのを待つと初期化状態からセットアップを始めることができます。
更新後はストレージの[System & reserved]が12.9GBと正常値に戻りました。
〇参考
今回はMicrosoft 公式のドキュメントのほかにホロモンさんのMRが楽しいの記事を参考にさせていただきました。